エンタープライズ:ニュース 2003/08/05 21:00:00 更新


Outlook 2003/Exchange Server 2003――よりシームレスなメッセージング環境を

「Microsoft Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMA」第1日目のセッションでは、Outlook 2003とExchange Server 2003についてのセッションが開催された。

 「Microsoft Tech・Ed & EDC 2003 YOKOHAMA」第1日目の午後のプログラムでは、Outlook 2003とExchange Server 2003についてのセッションが開催された。Outlook 2003の新機能解説や、Exchange Server 2003との連携、モバイル対応が主なテーマだ。

 「Outlook 2003:Exchangeユーザーのための強化点詳解」と題して行われたセッションでは、Microsoftのプログラムマネージャー、アーロン・ハートウェル氏が登壇し、「Outlook 2003は、小幅な改善よりも大きな変化を目標としている。どのようなネットワークでもよりよい接続環境を提供できるので、TCOを下げることができるはずだ」と述べ、ネットワークの状況に応じた最適な接続を可能にしたのがOutlook 2003であるとした。

 「これまでのOutlookでは、接続が切れるとエラーが表示されるため、Outlookを再起動しなければならないし、サーバと同期している間には何も操作ができなかった。ただしOutlook 2003からは『キャッシュモード』を利用することで、これを改善した」とハートウェル氏。セッションの途中では、イーサネットケーブルをカッターで切断するパフォーマンスを見せながら、サーバとのコネクションがどのような状態に陥っても、すぐに接続が復活することを強調した。

 このほかの改善点として、チェックポイントを設けることで、再接続時に最初から同期し直すことなく、切断された時点の情報から再同期できることや、キャッシュモードではオフラインアドレス帳を利用した名前解決が可能になったこと、回線が細い状況ではヘッダ情報のみを同期して、取得したいメールだけ読めることなどが紹介された。

 また、「Exchange Server 2003モバイル機能詳解」のセッションでは、マイクロソフト Exchange Serverグループの中島晃一氏が登壇し、Exchange Serverのモバイル戦略について語った。

 中島氏は「ワイヤレスネットワークでのデバイスシナリオに応じたアクセス環境を提供できるのがExchange Server 2003である」とし、モバイルPCや携帯電話、PDAなど、環境を選ばずにメールのやりとりができる、と述べた。

 Exchange Server 2003とOutlook 2003を利用したときには、インターネット経由で「RPC over HTTP」が利用できるので、メールを読むだけならば、特にVPNクライアントやRAS接続をしなくても、SSLとNTLM認証により安全な通信を実現できるとのこと。クライアント側はWindows XP SP1と最新のQFE(Q331320)が必要になるが、80番(HTTP)と443番(HTTPS)を開けておくだけで通信できるので、管理者の負担も減ることを強調した。

 また、Outlook Web Access 2003のデモが行われ、xDSLなどの高速環境で「Outlook Web Accessプレミアムクライアント」を利用すれば、Outlook 2003とほぼ同様のインターフェイスを利用できるとのこと。サーバ側ルールの作成と管理がサポートされたことや、署名がつけられるようになったことなどが紹介された。

 携帯電話のブラウザを利用できる「Outlook Mobile Access」については、日本で利用されているキャリアの端末が更新されたときでも、「デバイスアップデート」としてアップデートファイルを定期的に提供しているとのこと。中島氏は「Outlook Mobile Accessを利用すれば、PIMとしてOutlookに用意されている『予定表』や『連絡先』、『仕事』を活用できるだけでなく、ユーザーを検索して簡単にメールが出せる。ブラウザが搭載されていれば、基本的にどのような端末でも利用できるのがメリットだ」と述べた。

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[今藤弘一,ITmedia]