エンタープライズ:インタビュー | 2003/08/06 23:34:00 更新 |
安全で信頼性の高いコミュニケーション基盤を提供するExchange 2003
企業のコミュニケーションプラットフォームとして、またコラボレーション環境としてのMicrosoft Exchange Server 2003の魅力を、来日中の担当者に聞いた。
Tech・ED&EDC 2003 YOKOHAMAの開催に合わせて来日し、一日目の基調講演を行った、Exchange プログラム マネジメント ディレクターのテリー・マイヤーソン氏と、Exchange マーケティング シニアプロダクトマネージャであるトム・キング氏に、新しいMicrosoft Exchange Server 2003について語ってもらった。
ZDNet マイヤーソンさんは、Exchange Server製品の設計およびデザインチームを率いる立場にいらっしゃるそうですが、どのくらいの人々がその仕事に携わっているのですか?
マイヤーソン 私のもとでは、約300名が働いています。われわれは、Exchange Serverという製品を基礎の部分から作っており、そのテストなどの仕事をしています。
キング 私は、そのできあがったExchange Serverについて、ライセンシングや価格といったような、マーケティングに関わる部分を担当しています。
ZDNet ようやく国内でも、Microsoft Exchange Server 2003がRTMとなり、出荷の運びとなりました。従来はグループウェアというジャンルに位置づけられてきた製品ですが、2003はどのような製品に仕上がっているのですか?
マイヤーソン 個人の生産性を向上させるとともに、多人数からなるチーム全体、部門や全社規模のコラボレーションによる生産性に寄与できるプラットフォーム、その一部がExchange Server 2003ということになります。安全で信頼性の高いコミュニケーション基盤を提供することが目標です。
ZDNet インスタントメッセージング機能を実現するLive Communications Serverは、同じくコミュニケーションを主眼とするExchange Serverと非常に近い位置にあるのでは?
マイヤーソン マイクロソフトとしては、さまざまな製品群の組み合わせで構築するWindows Server Systemというビジョンを顧客に対して提示しています。Exchange Serverは電子メールのほかにスケジュール機能やコンタクトリストなどの機能を持ち、Live Communications Serverはリアルタイムのやりとりを行うメッセージングの機能を提供します。それぞれがSystemの一部となって、全体としてより強力な機能をユーザーに提供するのです。
ZDNet Exchange Server 2003ではキャッシュモードの搭載やRPC/HTTP、Outlook Web Accessなど、モバイルユースを意識した機能拡張が行われていますが、この部分に注力した理由は?
マイヤーソン 今バージョンでは特にモビリティといったテーマに力を入れています。ただ、モビリティと言っても単に携帯電話を使ったアクセスの方法にとどまらず、オフィスの外からさまざまな機器でいつでも情報にアクセスできるということに主眼を置いたものになっています。インフォメーションワーカーの生産性を上げるためには、モビリティは無視できないどころか、大きなビジネスチャンスがあると考えています。
また、マイクロソフトにとって大きな市場である日本では、ビジネスでも携帯電話をツールとして利用する人々が多いので、その接続性のテストは大きな時間を割いて行いました。
ZDNet パフォーマンス面ではどのように進化していますか?
マイヤーソン ネットワークレベルのパフォーマンスで言えば、Exchange 2000と比較すると30〜70%ものトラフィックデータ量の削減に成功していますし、またOWAのローディング時間も75%ほど短縮されています。管理者の側に立ってみても、データのバックアップ/リストアにWindows Server 2003のVSS機能を利用できたり、回復用ストレージグループのサポートによって、大幅な時間短縮を図ることができます。
また、新しい知識やハードウェアを必要とすることなく導入できる点についても強調したいですね。そのためのデプロイメントツールも備えています。
ZDNet もう1つ、スパム対策についても強化されていますね。
マイヤーソン これは今の時代にはなくてはならない機能と言えます。電子メールのスパムについては個人レベルのみならず、企業レベルで深刻な問題になっています。とくにExchange Server 2003においては、このスパム対策が高いプライオリティで開発が行われました。
実際にスパムを集めての研究もしました。例えば目に見えないような1ドットの画像や透明なgifファイル=WebビーコンがHTMLメールに埋め込まれていたりと、スパマーはありとあらゆる手段で情報を入手しようとします。こういった手段に対しても、ExchangeとOutlookは防御策をとっています。
ZDNet コードネーム:Kodiakと呼ばれている次バージョンは、どのような製品になるのでしょう?
マイヤーソン これは次のバージョンのWindows Server上で動くExchange Serverです。将来、Longhornと新しいOfficeが登場しますが、KodiakはBlackcombとともにその先にリリースを予定しています。Titanium(Exchange Server 2003の開発コードネーム)が開発完了しましたから、現在は300人全員がその目標に向かって仕事をしているところです。
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[聞き手:柿沼雄一郎,ITmedia]