エンタープライズ:ニュース 2003/08/07 19:47:00 更新


岐阜県の電子申請実証実験システムがセキュリティ強化、担当職員への教育も

電子申請推進コンソーシアムは、岐阜県と共同で実施している電子申請実証実験システムのセキュリティを大幅に強化する。

 電子申請推進コンソーシアムは、岐阜県と共同で実施している電子申請システムの実証実験において、セキュリティを大幅に強化することを明らかにした。

 電子申請推進コンソーシアムは電子申請の推進を目的とした業界団体で、情報システムやセキュリティ関連企業34社が参加している。2002年4月からは岐阜県と共同で、「岐阜県職員採用試験申し込み」や「図書等の郵送貸出受付」など複数の業務について、インターネットを通じた電子申請の実証実験を行ってきた。

 今回のセキュリティ対策強化は、情報保護の重要性が高まり、セキュリティに関する住民への説明責任が求められるようになってきたことを背景に実施される。具体的には、既存の対策に加え、遠隔からの不正アクセスの監視とデータの整合性保証、新種ウイルスの事前予防といった対策を施す計画だ。

 実装に当たっては、不正侵入検知システムを提供するインターネットセキュリティシステムズやウイルス対策製品を提供するトレンドマイクロのほか、トリップワイヤ・ジャパン、ネットスクリーン テクノロジーズ ジャパンの各社が製品を提供。システム運用はネットマークスと日立システムアンドサービス(SAS)が担当する。不正アクセスなど何らかのインシデントが発生した際には、ネットマークスや日立SASが連絡を取り合って現象を確認したうえで、岐阜県に通知が行く仕組みだ。

 同コンソーシアムセキュリティワーキンググループの主査を務める久保統義氏(トレンドマイクロ ソリューション営業本部本部長)は、「複数のベンダーの協力体制の下で、非営利団体がセキュリティ対策を行うケースはこれが初めて」とコメントしている。

 ただし、セキュリティ向上は製品や技術の導入だけでは実現できない。セキュリティポリシーに基づく運用や監査、運用に携わる職員の意識向上などがかみ合わさって初めて、効果のあるセキュリティ対策になる。この部分については、「電子申請に携わる職員に対して教育を行ったほか、運用手順の徹底を図った」といい、今後もさらなるセキュリティ強化に向けて取り組みを進める方針という。

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[ITmedia]