エンタープライズ:ニュース 2003/09/09 16:28:00 更新


コグノス、エンタープライズ・レポーティングの新ソリューションを発表

コグノスは、エンタープライズ・レポーティングの新ソリューションを世界同時で発表した。

 コグノスは9月9日、都内で発表会を行い、「Cognos ReportNet」を全世界同時に発表した。なお、この発表と連携し、同製品のアピールなどを行う「Cognos ReportNet Day」が六本木ヒルズで開催された。

田上氏

コグノスの代表取締役社長 田上 一巳氏


 コグノスは、オタワに本社を持つカナダの企業で、BIソリューションを主に手がけている。同社の直近12か月の売り上げ高は5億8,147万ドルにのぼる。

 今回発表した「Cognos ReportNet」は、企業がビジネス・データを収集・分析し、主要トレンドを見つけ出すことで、より効果的な戦略立案を支援するためのBIツール。企業内にあるデータベースの構造を意識せず、使い慣れた業務用語でのレポート作成がドラッグアンドドロップなど直観的な操作で容易に行える。定型レポートから非定型検索・高度なレポート作成など一連の操作はWebブラウザ上で行え、ここから設計やサーバ管理までもが可能となっている。同一のレポートは25か国語以上の言語で共有可能で、企業のグローバル展開に必要な情報共有を容易に実現可能。

 SOAPやXMLといったWebテクノロジを採用しているほか、APIも公開されており、既存環境へ対応できるオープン性を実現している。また、日本企業特有の要望を反映し、バブルチャート、ドーナツチャートや、元号表記なども実装したという。

 コグノスの代表取締役社長である田上 一巳氏は、「朝令暮改のようにコロコロと物事が流転するなかで、即時の意志決定は欠かせない。BIツールを導入して効率が上がるのはもう当たり前の話。これからは企業競争力を格段に向上させることを約束する」と話す。

 同製品は2003年5月に先行リリースされており、すでにファイザー、キリンビール、朝日新聞社などで幅広く導入が進んでいる。田上氏によると、「大規模案件の受注や引き合いも拡大し、とくにシステム統合案件の拡大が著しい。これらを推し進め、シェア1位といった小さなレベルではなく、ぶっちぎりのデファクトスタンダードを目指したい。新規顧客獲得でいえば30%増が目標」と決意を語った。

 対応OSは、Solaris、HP-UX、AIX、Windows NT4.0/2000/XP/2003。

 価格は25ユーザー(設計・管理ツールを含む)で496万円から。

IBMとの提携関係はさらに拡大

 また、IBMとの提携関係をさらに拡大することが合わせて発表された。両社は2003年4月、包括的なビジネス・インテリジェンス・ソリューションの販売に関わる世界規模の複数年契約を発表し、この契約条件下で、販売、マーケティング、人事など企業内のさまざまな部門や職種に対する統合ソリューションを共同販売している。

この提携関係拡大を具体化するため、オタワにあるコグノスの開発拠点にIBMが出資するパフォーマンス・ラボが開設される。IBMはこの枠組みによって、IBMのプラットフォーム上での最適パフォーマンス・テストを確実に実施するための技術員を派遣し、ハードウェアを供与する。

 発表会に同席した日本アイ・ビー・エムのインフォメーション・マネージメント事業部 事業部長の中川いち朗氏は、「現在は、意思決定サイクルが非常に短期化している。こうした中、データの分析と有効活用のニーズはますます拡大している。ReportNetは弊社が2003年5月に発表したDB2のOLAP機能を拡張する製品『DB2 Cube Views』と組み合わせて使用することで、環境構築の期間が短縮でき、応答時間の飛躍的な向上が期待できる。BIソリューションに最適なシステムインフラを提供することで、『Information on Demand』を実現していきたい」と述べた。

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関連リンク
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[西尾泰三,ITmedia]