エンタープライズ:ニュース 2003/09/16 20:42:00 更新


Windows Update利用促進に向けたマイクロソフトの一手

Windows Updateが利用されていない――。MSBlast流行の教訓を受け、マイクロソフトがWindowsのセキュリティ向上を狙った一手を打ち出した。

 Windows Updateが利用されていない――。MSBlastワーム流行の教訓を受け、マイクロソフトがWindowsのセキュリティ向上を狙った一手を打ち出した。Windows搭載PCユーザーに向けてマイクロソフトは9月16日、「Protect your PCキャンペーン」を発表。セキュリティ対策広告の大規模展開と、セキュリティ対策CD-ROMの無償配布で、Windows Updateの自動更新機能の利用を促し、脆弱なPCの数を短期的に最小化させる考えだ。

 コンピュータセキュリティ上の脅威からPCを守る方法を啓蒙するこの取り組みは、9月19日から本格化する。あらゆるメディアに広告を打ち、日常のセキュリティ対策法を周知する。キャンペーンで打ち出すメッセージは、(1)ファイアウォールの利用、(2)Windows Updateの使用、(3)ウイルス対策ソフトウェアの利用の3つ。この3つの対策を行ってもらうことで、脆弱なPCの数を減らし、将来の脅威に対しても安全にインターネットを利用できる環境にしようと訴える。

 広告を掲載するメディアは、新聞(全国紙、地方有力紙)、車内吊り広告(首都圏、名古屋、大阪)、雑誌、Webバナー、電子メール、ラジオと幅広い。チラシ配布、店頭ポスターでの周知も予定されている。

マイケル・ローディング社長

「ウイルスの開発は生活や企業活動に悪影響を与える犯罪行為」と非難したマイクロソフトのローディング社長


 また、インターネット経由で修正プログラムのダウンロードが困難なユーザーに対しては、「Windows XPセキュリティ対策CD」を9月20日から全国で無償配布する。CD-ROMには、Windows XP SP1aおよびSP1aリリース以降のセキュリティ修正プログラム(MS03-039まで)が収録され、一括適用が可能。Windows Updateの自動更新機能を強制的に有効化させる機能も盛り込み、CD-ROM使用後は、有効なったWindows Update機能を使って差分をダウンロードさせる形に誘導する。

 CD-ROMの対象OSは、Windows XP Home Edition/Professional/Tablet PC Edition。10月31日まで全国主要PCショップで配布される。Windows XP以外のユーザーなどに対する対策法は当面チラシなどでの告知にとどまり、今後CD-ROMの提供など対策を検討していく。

 この取り組みの発表に際し、マイケル・ローディング社長はウイルス開発者を強く非難。「ウイルスの開発は生活や企業活動に悪影響を与える犯罪行為。開発者は犯罪者と認識している」(ローディング社長)。ペナルティを含めた対応が必要と同社の見解を述べた。そのために、政府との協調も含め、すべての関連機関と継続的に協力していく方針だ。

 8月中旬に起こったMSBlastの流行で、Windowsの修正・更新を行うWindows Update機能があまり利用されていない実態が明らかになった。マイクロソフトは、Windows Updateの利用率に関して今春、調査機関に調査を依頼していた。だが、調査に時間を要し、報告がなされたのはMSBlastの流行の直後と、最近まで利用実態をつかみきれていなかったという。

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[堀 哲也,ITmedia]