エンタープライズ:ニュース 2003/09/17 22:24:00 更新


MSBlastが騒がれても4人に1人は「何もしなかった」――BCN総研が調査

BCN総研がMSBlastやSobig.Fまん延の直後に行ったアンケート調査によると、一連の報道があってもなお、27.6%は「何もしていない」と回答したという。

 「9割以上のユーザーが、自宅のPCで何らかのセキュリティ対策を施している。しかしその大半はウイルス対策ソフトの導入に過ぎない」――BCNの市場調査部門であるBCN総研が行ったアンケート調査によって、このような実態が明らかになった。

 この調査は、MSBlastやSobig.F発生直後の8月22日から26日にかけて、同社Webページ上で行われた。有効回答数は2105件。回答者のPC利用歴を見ると、10年以上と回答したユーザーが38.8%に上ったのに対し、3年未満としたのはわずか8.7%。3〜5年未満とした19.4%を加えても、いわゆる初心者層に分類されるのは28.1%と見ていいだろう。

 アンケートの結果、回答者の92.9%が「自宅で使用するPCで何らかのセキュリティ対策を施している」と回答した。これは昨年同時期の数字に比べ、7.2ポイントの上昇という。

 しかし具体策となると、ほとんどがウイルス対策ソフトの導入(75.9%)と定義ファイルの更新(60.2%)となった。MSBlastの根本的な対策は、セキュリティホールを修正するためのパッチの適用なのだが、OSのアップデートを実行しているとしたのはそれよりやや少ない59.3%となった。

 MSBlast関連報道を機に取った対策を見ても、最多の回答は「ウイルス定義ファイルの更新」だった(無論、これはこれで必要な対策である)。OSのアップデート(34.8%)は、ウイルス関連の情報収集(35.2%)に次ぐ3位となっている。

 そして、この設問に関して何よりも注目したいのは、「何もしていない」と回答したユーザーが27.6%と、4人に1人以上の確率で存在したことだ。この傾向は、女性ユーザーやPC利用暦5年未満のユーザーで特に高く、3分の1が「何もしていない」という結果だ。いずれにしても、どちらの性別、どの年代においても20%超が「何もしていない」と回答した点は、セキュリティ対策や情報告知の面で大きな課題を投げかけている。この結果はまた、コンシューマーへの告知が不十分だったとするマイクロソフトの反省を裏付けるものともいえそうだ。

 BCN総研ではこの調査において、ユーザーの自由意見も募ったという。この結果、「対策はネットワークを利用する上で常識だ」とする見方があった一方で、「具体的に何をすれば分からない」「説明を読んでもよく分からず、もっと平易な説明が望ましい」という声があり、ユーザーの意識にはっきりと温度差が見られた。これを踏まえてBCN総研では、「ユーザーの視点に立った分かりやすいセキュリティ対策の仕方や情報提供はもちろん、ネット社会全体の観点から見たセキュリティ対策の重要性についても、業界挙げてさらなる啓蒙が必要」としている。

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[ITmedia]