エンタープライズ:ニュース 2003/09/19 17:31:00 更新


ポリシーに沿った企業リモートアクセスの支援を視野に入れるアイパス

ローミング接続の提供で知られるアイパス ジャパンだが、「iPass Connect 3.0」では、セキュリティポリシーに沿った企業リモートアクセスの実現を支援する機能が強化されている。

 ローミング接続の提供で知られるアイパス ジャパンは9月18日、インターネット接続用クライアントソフトウェアの新バージョン「iPass Connect 3.0」を発表した。ホットスポットの普及を意識して無線LAN関連の機能を充実させたほか、接続時にセキュリティポリシーを適用できるようにした点が大きな特徴で、10月下旬より提供される。

 アイパス ジャパンは、国内30社以上のインターネットサービスプロバイダー(ISP)と提携し、ローミングサービスを提供している。その際に利用するクライアントソフトウェアがiPass Connectだ。同社はこのソフトウェアを、海外旅行時のローミングだけでなく、企業システムへの安全なリモートアクセスツールとしても展開していく計画だ。

 バージョン3.0のリリースはその一環という位置づけである。ユーザーインタフェースを一新し、まず回線・接続方法を選ぶのではなく、そのときユーザーがいるロケーションを元に、利用可能な接続方法を示すという検索方法が採用された。

 また、セキュリティの確保を意識した機能もサポートされた。

 その1つが、ユーザー認証を実現する802.1x(MD5、LEAP、EAP-TTLS)への対応で、無線LANを利用してアクセスする際のセキュリティ強度を高める。iPass Connect 3.0はまた、常駐プログラムとして稼動し、無線LAN接続をスニフィングする機能もサポートした。これにより、端末が無線LANの対応エリアに入るとすぐに、利用可能なアクセスポイントを自動的に表示することができる。

 企業での利用を意識した機能としては、ウイルス対策ソフトウェアやパーソナルファイアウォールなどと連携して、セキュリティポリシーを実施できる点が挙げられる。企業システムへの接続時にこれらセキュリティソフトウェアの利用を義務付け、万一これらに障害が起きたときには接続を自動的に切断するといった仕組みが可能だ。同社によると、ウイルス対策ソフトでは米McAfeeおよびSymantecと、パーソナルファイアウォールではInternet Security Systems(BlackICE)やZoneLabなどとの連携を確認しており、今後はさらにVPNとの連携も計画しているという。

 アイパス ジャパンでは「タホ・プロジェクト」と呼ばれる取り組みの中で一連の機能強化を進めており、今後もニーズに応じて新機能を追加していく方針だ。

 「アイパスというと、日本ではISPのオプションサービスというイメージが強いが、これからの取り組みを通じて、企業ユーザーにもいろいろなメリットをもたらすものであることを示していきたい」(同社代表取締役の菊地昭一氏)。既に国内でも、海外に拠点を構える大企業を中心に導入実績があるというが、IIJテクノロジーズや日立情報システムズといったソリューションパートナーを通じて、企業向けのさらなる拡販を進める。

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[高橋睦美,ITmedia]