エンタープライズ:ニュース | 2003/09/25 21:43:00 更新 |
日本IBM、金融市場向けグリッドコンピューティング事業強化
日本IBMは、金融企業向けグリッドコンピューティング製品提供や、商用分野や公共分野におけるグリッド活用事例、主要ソフトウェアでのグリッド対応の推進について発表した。
日本IBMは9月25日、世界中に存在するサーバーやストレージ、ソウトウェア、データ資源をネットワークを介し共有活用することで、仮想的なコンピューターシステムを必要に合わせて作り出す次世代のコンピューター技術「グリッドコンピューティング」の、金融市場向けソリューションの提供を順次、開始すると発表した。同時に、世界のグリッド先進事例や、グリッド技術の商用化に向けた、SAS Institute Japanといったパートナー企業との協業も発表した。
今回の発表は、日本IBMとSAS Institute Japanが協業し、銀行業における顧客分析のための新しいグリッド製品「銀行業におけるカスタマー・インサイト」を提供するというもの。SASが提供する金融業界向けBIソリューション「SAS Banking Intelligence Solutions」の一部である「SAS Credit Scoring」を利用する顧客は、プログラムを書き換えることなくすぐにシステムをグリッド化できるという
また、日本IBMの東京基礎研究所と共同研究を開始したニッセイ基礎研究所での、グリッド技術による金融リスク計算の高速化実験の結果などを報告した。それによると、Linuxを搭載した8台のパソコンを接続してグリッド化することで、これまで約10時間かかっていた計算処理が約49分に短縮でき、約12倍も高速化したという。
日本IBMは今後、既に出荷を開始しているRDBサーバ「DB2 Information Integrator」およびWebアプリケーションサーバ「WebSphere Application Server 5.0.2」に加えて、「Tivoli」でもグリッド機能の提供を開始する予定。
関連リンク日本IBMのプレスリリース
日本IBM
SAS Institute Japan
[ITmedia]