エンタープライズ:ニュース 2003/09/26 19:12:00 更新


Intel、中国の100大学を結ぶグリッドネットワーク構築へ

Itanium製グリッドが中国全土を結ぶ。Intelは中国の大学を結ぶコンピューティンググリッドを構築すると発表した。(IDG)

 中国Intelは9月25日、中国の代表的な大学100校を結ぶ国立コンピューティンググリッドを構築する覚え書きを中国文部省と交わした。

 Intelの発表によれば、同社が構築するコンピューティンググリッドにはItaniumプロセッサファミリーを使用し、世界で最も強力なコンピューティンググリッドの一つとなる15T(テラ)FLOPS以上のパフォーマンスを実現するという。

 「このコンピューティンググリッドは技術研究と教育を進める上で、非常に重要だ」と文部副大臣のチャオ・チンピン氏は語る。「文部省はこのプログラムに強い関心を持っている。その計画は非常にプロ意識の高いチームとパートナーにより立案されたものだ」と同氏。

 このグリッド計画では、ライフサイエンス、石油業界、地震研究、商業金融などの先進的な研究に利用するためのコンピューティングパワーを提供する予定だ。同計画には中国の代表的なコンピュータ科学者が関わっており、学問と科学コミュニティーに「3つのE」をもたらすことを目的としている。それは、e-Science、e-Information、e-Instrumentsだ。

 グリッドは2008年北京オリンピックをサポートする「デジタルオリンピック」に向けたパワーも提供する。

 Itaniumプロセッサファミリーは、優れた浮動小数点演算性能、メモリ性能、大量データセットのサポートといった科学研究者の要件を満たしているとIntelは述べている。

 Intelはサーバベンダーと共同で、それぞれの大学にItanium 2プロセッサを備えたサーバ2台を年内に設置する予定だ。グリッドは100校までの大学を2005年末までにリンクすることになっている。

 グリッドコンピューティングは地理的に異なる場所で稼働しているシステムをリンクし、一つの仮想的なコンピューティングリソースを作り出す仕組み。世界中の国営研究施設、大学、企業の研究所で実用レベルのグリッドが設置されている。既に知られているグリッドとしては、TeraGrid (米国)、the European Union Grid Initiative、Singapore Bioinformatics Institute Gridなどがある。

関連記事
▼Globus、グリッド普及の世界展開へ

[Sheila Lam,IDG News Service]

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.