エンタープライズ:ニュース 2003/09/26 23:58:00 更新


「Operaの強みはクロスプラットフォーム」ノルウェーのOperaのCEOが来日記者会見

トランスウエアは、Webブラウザ「Opera 7.20 for Windows 日本語版」をリリースした。

 トランスウエアは9月26日、Webブラウザ「Opera 7.20 for Windows 日本語版」のリリースに合わせ、開発元であるノルウェーのOpera Softwareのヨン・フォン・テツナーCEOを招いてプレスカンファレンスを開催した。

ノルウェーのOpera Softwareのヨン・フォン・テツナーCEO

ノルウェーのOpera Softwareのヨン・フォン・テツナーCEO


 Opera Softwareは1995年設立、翌1996年には「Opera」の最初のバージョンを発表した。Operaは、Internet ExplorerやNetscape Navigatorと比較して、Webページの表示が高速でファイルサイズも小さいことを売り物に徐々にシェアを伸ばしてきた。また、HTML標準を早期に正しくサポートすることでも知られている。2002年2月にはトランスウエアを通じて、初の日本語版である「Opera 6.0日本語版」をリリースしている。

 OperaについてテツナーCEOは、「小さなサイズながら、機能は(IEなどの)Webブラウザと同等だ。さらにOpera 7.20は最初のOpera 1よりも少ないリソースで動作する」とコンパクトさをアピールした。また、現在のWebブラウザ市場について「いろいろなメーカーがWebブラウザを手がけ、そして消えていった。今残っているのはOperaのほか、Internet Explorer、Netscape Navigator、Spygrassぐらい。ただ、Netscapeは開発をやめようとしているようで、Internet Expolorerに対抗できるのはOperaしかなくなっている」と話した。

 開発においては、W3Cの標準に従っていないほとんどのWebページでもうまく補正して表示できることや、ハンディキャップをもつ人でも健常者と同じようにWebが利用できることなどに注意しているという。

 Operaは従来から、同じエンジンを使ってWindows、Mac OS、Linux、EPOCなど複数のプラットフォームのバージョンを開発しているが、さらに携帯電話やテレビなどへの展開についても言及した。京セラをパートナーに、μITRON向けOperaを開発中であるほか、詳細については話せないとしながらも、日本のゲームメーカーとも技術的検討を進めていることを明らかにした。小型表示デバイスしか持たない端末では、PC向けに作られたWebページの表示が問題となるが、Small Screen Renderingと呼ぶ技術によって、Webページの画像やテキストを再配置する機能により、サーバ側でなく端末側のみで解決している。

 長所をいくつも持つOperaではあるが、その普及に関してはInternet Explorerに遠く及ばない。この点については「なにもしていないわけではありません。まだ詳細は話せないが、メジャーなメーカーのPCにプリインストールして出荷するという話が進んでいる。時期が来たら発表する」と話し、携帯電話などへも展開しつつ、PCでも攻勢をかける姿勢を見せた。

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関連リンク
▼Opera日本語版公式サイト
▼トランスウエア

[佐々木千之,ITmedia]