エンタープライズ:ニュース | 2003/10/06 22:50:00 更新 |
日本IBMが小中規模市場向けに新戦略、低価格の製品提供とパートナー支援強化が柱
日本IBMは中堅および小規模企業市場向け新戦略を発表した。同市場向けの製品およびサービスと、ビジネスパートナー支援の2つを軸にしている。
日本IBMは10月6日、都内で記者発表会を行い、中堅および小規模企業市場向け新戦略を発表した。同市場向けの製品およびサービスと、ビジネスパートナー支援の2つを軸にしている。特に、今後同市場の営業活動はパートナーが主体で行うとしており、日本IBMはこれを支援する。ビジネスパートナー支援には50億円が投資され、担当人員も100名増員、さらに2004年にも100名規模のスタッフの追加を予定している。
同社理事でゼネラルビジネス事業部長を務める大石憲司氏は、同市場の現状について「ITを経営戦略の一環とする意識は高まっている」と話す。今後は、中小規模の企業が持つITへの障害である、スキルや人的資源の不足、拡張性への不安などを取り除いていくために努力するという。
製品およびサービスの分野では、新施策「IBM Express ポートフォリオ」を打ち出す。これは、同社のミドルウェアであるWebSphereやサーバマシン、PCなどの製品およびサービスを、同市場の企業が購入しやすい価格で提供するもの。
例えば、同施策の対象製品として既に2002年の12月に発表していたWebSphereの場合、価格は従来の5分の1、今年の6月に発表したDB2は、30ユーザーライセンスで半額となっている。IBM Express ポートフォリオの現在の対象製品および、年内に発表予定の製品およびサービスは文末に掲載している。
最前線の営業業務はパートナーへ
一方、もう一方の柱は、パートナー支援施策。この日は、営業およびハードウェア分野の支援策として「SMBアドバンテージ」、ソフトウェア分野の支援策「バリュー・アドバンテージ・プラス(VAP)」「ソフトウェア・バリュー・ディストリビューター(SW-VAD)」、サービス分野の支援策「IBMグローバル・サービス協業原則」が発表された。
SMBアドバンテージは、2月に開始しており、専用ウェブサイトでの情報提供、セールスキット提供などの営業支援による需要創出、ビジネスパートナー同士の連携を促進するチーミング、そして、ハードウェア製品の取り扱いを促進するインセンティブ・プログラムを展開している。
また、VAPおよびVADは、ビジネスパートナーとともに新規顧客を開拓していくための施策。VAPは、日本IBMのミドルウェアと、ソフトウェア開発会社やシステムインテグレーターのアプリケーション、サービスをセットにして提供する。現在50のソリューションが登録されており、年内に100ソリューション以上に拡大する予定という。SW-VADは、VAPを含めたビジネスを手がける2次代理店を開拓、育成するものとなっている。
IBM Express ポートフォリオ 一覧
- ソフトウェア
WebSphere Portal - Express V5.0、WebSphere Portal -Express Plus V5.0、WebSphere Application Server Express V5.0、WebSphere Commerce - Express V5.5 (2003年10月30日出荷予定)、WebSphere Commerce - Express Developer Edition V5.5 (2003年10月30日出荷予定)、DB2 UDB Express Edition V8.1 、Tivoli Storage Resource Manager Express Edition V1.2、Lotus Domino Collaboration Express、Lotus Domino Utility Server Express
- サーバ
IBM pSeries 615、630、650
- サービス
e-businessホスティング・サービスiSeriesサービス、ブロードバンド企業パックサービス
IBM Express ポートフォリオ 年内発表予定の一覧
- サーバ
xSeries、iSeries、BladeCenter、IBM TotalStorage FAStT ストレージサーバ、IBM LTO(Linear Tape-Open) Ultriumテープ製品ファミリー
- PC
ThinkCentre、ThinkPad
- 業務ソリューション
PLM
関連リンク日本IBM
[怒賀新也,ITmedia]