エンタープライズ:ニュース 2003/11/20 18:41:00 更新


ExcelファイルをFlash化するプラグインが登場

退屈な表計算データを生き生きとしたFlashファイルに作り替えるソフトがCOMDEXに出展された。(IDG)

 表計算の味気ないブラックボックスに、文字通りFlashを付け加えることができるExcelのアドオンが、今週ラスベガスで開催されているCOMDEXでデビューを飾った。

 Xcelsius Professionalは、いくら素晴らしいデータでも、灰色の表計算ソフトの中では埋もれてしまうことを知っている専門家向けの製品だ。

 このプログラムを使えば、プログラミングの知識のないユーザーでもMicrosoft ExcelのファイルからFlashを作成することができると、Xcelsiusを開発したInfommersionのサンティアゴ・ベセラ・シニア氏は語る。Xcelsiusは損益報告書の行と列をカラフルなゲージとスライダーなどに変換してくれるのだ。

 Infommersionは今年7月にこのプログラムのスタンダード版を195ドルで発売した。新しい495ドルのプロフェッショナル版はCOMDEXで公開されている。対応OSはWindows 2000またはXPで、Microsoft Office 2000、XP、2003のいずれかが必要だ。

 Xcelsiusファイルの作成は、ベセラ氏のデモを見る限りでは比較的容易だ。グラフ、パイチャート、スライダーなどの36種類のグラフィック部品を選び、ワークスペースにオブジェクトをドラッグしていく。そして、オブジェクトをクリックしてスプレッドシートのデータフィールドに関連付ける。

 オブジェクトに対してはロジックを適用することもできる。例えば、数字がゼロ未満になれば、そこのダイヤルは赤くなるといったもことも可能だ。

 FlashにはExcelファイルのデータだけでなく、数式も取り込むことができる。つまり、ファイルの数値を変更すれば、別の場所の数値が変わるようにも設定できるのだ。自分の会社を黒字にするためには海外売り上げをどれだけ増やさなければならないか? その場合には販売のスライダーを総利益損益のゲージダイヤルが黒くなるまでドラッグすればよい。

 このプロフェッショナル版ではウェブ経由でXMLデータベースに接続させることにより、継続的にデータ更新を行うことが可能になっている。元のExcelスプレッドシートに変更があればデータの更新を自動的に行うことも可能だ。スタンダード版では、ユーザーがプログラムのボタンを押して、データを更新する必要がある。

 Xcelsiusの数字を変更したら、データを元のExcelスプレッドシートか新規ファイルにエクスポートすることもできる。

 Xcelsiusで生成されたファイルを見たり操作したりするのに、このプログラム自体は必要ない。

 MacやLinuxシステムを含むコンピュータやハンドヘルド機、無償配布されているMacromedia Flash 6プレイヤーが組み込まれているデバイスであれば、Xcelsiusファイルを見たり操作したりすることができる。PowerPointプレゼンテーションやOutlookのメッセージに、このプログラムからシングルクリックでファイルを持っていくことが可能だ。

 Xcelsiusが開発されたテクノロジーの多くは、ゲームデベロッパーがもたらしたグラフィックスの進化によるものだとベカラ氏。Infommersionの最高技術責任者はベカラ氏の息子のサンティ・ベカラ・ジュニア氏である。同氏は人気の高いPC用ゲームのMidtown MadnessとMidtown Madness 2の開発に関わっており、Playstation 2のMidnight Club開発も担当していたという。

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