特集
2003/12/05 22:09:00 更新


特集:第1回 Webアプリケーション開発、運用プラットフォーム「Cosminexus」を知る (2/3)


Cosminexusは総称名、各コンポーネント特徴と製品構成を知ろう

 ここではCosminexusに含まれる次に挙げる個々のコンポーネント(アプリケーション)について、それぞれの役割を順番に解説していきます。そして、次の2と3のコンポーネント、JBuilderとアドインが含まれる統合パッケージ「Cosminexus Studio」についても後述します。

1. 画面遷移設計「Cosminexus Application Designer」

2. Webページ設計「Cosminexus Page Designer」

3. XML開発支援「Cosminexus XML Processor」

4. Webアプリケーションサーバ「Cosminexus Application Server」

 数多くあるWebアプリケーションサーバの中で、「Cosminexusの特徴は?」という疑問があるでしょう。Cosminexusは、金融分野における次世代バンキングシステムや産業分野におけるBtoB、BtoC、EDIなどのeビジネス、そして販売管理、顧客情報管理などの業務システム、公共分野における電子申請、電子窓口、企業の従業員に対する福利厚生サービスサイトや総務業務を中心とする社員サポートシステム、地域コミュニティに対する情報提供サイトの構築など、具体的な用途で利用されている実績を持ちます。

 Cosminexusが実現するものには、柱とするポイントがあります。1つは、利用者が必要とするさまざまな情報を集約し、提供していくフロントエンドのインテグレーションです。2つ目は、企業内外の業務システム情報を統合し、新たなビジネスプロセスに基づく業務システム構築のバックエンドのインテグレーションです。この2つをWeb情報システムの柱として捉え、それぞれをサポートする「企業ポータル基盤」と「ビジネスインテグレーション」を提供しています。

 また、既存システム統合で対応できない個所の開発を行うために、実績あるコンポーネントを活用してプログラミングができる「コンポーネント基盤」も提供しています。前述した企業ポータル基盤、ビジネスインテグレーション、コンポーネント基盤は、合わせて「ソリューション基盤」と呼ばれます。

 ソリューション基盤を支えるのが「システム構築基盤」です。システム構築基盤は、Webアプリケーションサーバの開発・実行環境を中心とする「Webフロント構築基盤」と、分散トランザクションマネージャOpenTP1を中心とする「基幹システム構築基盤」から構成されます。このOpenTP1は、日立のTPモニタ(Transaction Processing Monitor)であり、JR東日本のICカード改札システム「Suica」を始め、多くの企業の基幹業務システム基盤として採用されています。

 またこれらの基盤を利用した、業種によらない「業種横断ソリューション」と「アプリケーションパッケージ」、および業種対応の「業種別ソリューション」もあります。ここでは、Cosminexusの土台であるシステム構築基盤を中心に解説していきましょう。

java_fig02.gif

図2■Cosminexusの構成


業務指向スタイル開発を支援する統合パッケージ「Cosminexus Studio」

 大規模なシステム開発では、システムの仕様の早期確定が成功のカギとなります。これを実現するのが後述する業務指向スタイルの開発統合パッケージ「Cosminexus Studio」です。業務指向スタイル開発とは、業務の流れに着目し、その具現化をするためのユーザーインタフェース(画面遷移とWebページレイアウト)の設計から開発にアプローチするスタイルです。そして外部仕様の大部分を占めるユーザーインタフェースを早期に確認、確定することで、システムの仕様を早期確定し、開発を成功へと導くわけです。

 Cosminexus Studioでは、Webシステムの開発手法の1つである「MVCアーキテクチャ」に基づいた開発を支援します。MVCアーキテクチャは、Webシステムを「Model」(業務処理)、「View」(画面表示−JSP)、「Controller」(ModelとViewの制御−Servlet)という3つのコンポーネントに分けて開発するものです。Cosminexus Studioでは、このViewの開発において「Cosminexus Page Designer」(以下、Page Designer)を、「Controller」の開発に「Cosminexus Application Designer」(以下、Application Designer)を、「Model」にはボーランドのJavaコード開発ソフト「JBuilder」を使用します。作成したプログラムデバッグもJBuilderが担います。この中でも特に、Application DesignerとPage Designerが業務指向スタイル開発のキーとなるのです。

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[友永佳津子,ITmedia]

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