エンタープライズ:ニュース 2003/12/11 08:53:00 更新


「最低限のセキュリティリテラシーを」、クインランドとディアイティが解説サイト

クインランドとディアイティは12月15日より、個人ユーザーや中小企業などを対象に、セキュリティの基本知識を解説するWebサイト「セキュリティリスク・ショールーム」を開始する。

 クインランドとディアイティは12月15日より、個人ユーザーや中小企業など、セキュリティに関する深い知識を持たないユーザーを対象に、セキュリティの基本知識を解説するWebサイト「セキュリティリスク・ショールーム」を開始する。

 このサイトがまず狙うのは、セキュリティ上のリスクに鈍感なユーザー全般だ。こうしたユーザー層に対し、ウイルスやワームに感染するとどのような症状、影響が生じるかをFlashを用いてビジュアルに解説し、どんな対策を行うべきかを紹介する。同時に、MSBlastのように緊急性の高いウイルスが発生した場合には、それに対する警報を発していく予定だ。

 他にもセキュリティに関する事例紹介や緊急時の対応方法、用語集、セキュリティ関連ニュースなどを提供。また将来的には、ウイルスやワーム以外のさまざまな脅威についてもコンテンツを拡充し、情報セキュリティに関する総合ポータルサイトを目指すという。

 こうしたサイトを開設する背景について、ディアイティ社長であり日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)の会長を務める下村正洋氏は、JNSAが行った全国セキュリティキャラバンにおいて「ウイルス対策ソフトを入れていたのにウイルスに感染したのですが?」「マイクロソフト製品以外のものを利用していれば大丈夫ですよね?」「そもそもパッチとは何ですか?」といったごく基本的な事柄に関する質問を多く受けたことを挙げた。

 新サイトではこうしたユーザーに向け、セキュリティに関する正確な知識を伝え、「最低限のセキュリティリテラシーを身に付けてもらうことを狙う」(クインランド代表取締役社長の吉村一哉氏)という。

 一連のコンテンツは、特に会員登録などを行うことなく無料で閲覧できる。マイクロソフトやシマンテック、イーフロンティアといった企業が協賛企業となっており、これら協賛企業のサイトにセキュリティリスク・ショールームへの入り口が設けられる予定だ。両社では、他にも国内の検索サイトやポータルサイトに対し、協賛パートナーとなるよう働きかけていくという。

 協賛企業となったマイクロソフトの経営戦略担当取締役、東貴彦氏は、「企業においては、経営者が市場リスクや金融リスクと同様にセキュリティリスクを認識することが重要になっている。また個人ユーザーの場合も、ちょうど毎日歯磨きをして虫歯を予防するのと同じように、日々セキュリティをチェックすることが大事だ」と述べている。しかしながら、マイクロソフトがユーザー全員にリーチできるわけではないことから、セキュリティリスク・ショールームのような活動を歓迎し、情報共有などを通じて一連の啓蒙活動を支援していきたいとしている。

関連リンク
▼セキュリティリスク・ショールーム(12月15日より)
▼クインランド
▼ディアイティ

[高橋睦美,ITmedia]