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2003/12/25 18:49:00 更新


SunのCobalt、これが「ラスト・クリスマス」

コバルトブルーの筐体で長く親しまれてきたサーバアプライアンス、Cobaltの歴史に幕が引かれる。Sunに買収されたものの、その命は短かった。

 悪いニュースを発表するときには、クリスマスこそが最適の時期だ。この華やかな時期を狙いすまし、米Sun Microsystemsはサーバアプライアンス、Cobaltの製造中止を発表した。

 Sunのサーバアプライアンス製品のウェブページには、製品の現在の状況が記されている。Sunのサーバアプライアンス製品はいまやIntelボックスであり、Sun Cobaltブランド製品ではない。

 この動きは今年に入ってからずっと、静かに進行していた。Cobalt RaQ4サーバアプライアンスは11カ月前の2月、生産終了となった。Cobalt Control Stationサーバアプライアンスは11月に製造中止。SunはCobalt製品ラインの中で唯一生き残っていたRaQ 550を2004年2月19日で打ち切ると発表した。ユーザーを安心させるため、Sunは製造中止以降、3年間は製品のサポートを行うと発表している。

 2001年1月、MIPS製CPUを搭載したCobaltサーバアプライアンスが発表されたとき、当時のSun社長兼最高執行責任者(COO)であったエド・ザンダー氏は、「本日発表するこの新製品により、数十億規模のWintel-Lintel市場を席巻する」とぶちあげた。

 不幸なことに、席巻されたのはSunのほうだった。IntelとLinuxの組み合わせに敗北したのはSunだったのだ。ザンダー氏はSunを離れ、現在はMotorolaのCEOとなっている。SunはAdvanced Micro Devicesの64ビットOpteronプロセッサを搭載したローエンドSun Fireサーバを、新しいファミリー製品として提供しようとしている。

 米国第2位のオフィスサプライ販売業者であるOffice DepotがSunと複数年にわたる数百万ドル規模の契約を結んだことは、SunのLintel問題を際立たせている。これにはローエンドのSolarisサーバも含まれる。Sunは生来、x86 Lintelマシンよりもこちらを優先している。x86 Lintelマシンでは、他のLintelベンダーと顧客ベースを奪い合うことになってしまうからだ。

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