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2004/01/27 21:15:00 更新
セキュリティに適切な投資を、ジョン・シュワルツSymantec社長
シマンテックは1月27日、同社のセキュリティ構想を説明する記者会見を開催した。米Symantecのジョン・シュワルツ社長兼COOは、「日本市場はセキュリティ技術の採用が遅れている。脅威を理解し、適切な投資を行ってほしい」とメッセージを送った。
米Symantecのジョン・シュワルツ社長兼COOが来日。これに合わせ、シマンテックは、同社のセキュリティ構想を説明する記者会見を都内ホテルで開催した。シュワルツ氏は「日本市場はセキュリティ技術の採用が遅れている。脅威を理解し、適切な投資を行ってほしい」と、日本に向けてメッセージを送った。
ネットワークの脅威は進化を続けている。近年、複合型と呼ばれるコンピュータウイルスが猛威を振るうなか、シュワルツ氏は「スピード」と「脆弱性攻撃」が最近の重要な特徴になってきていると説明する。昨年8月に流行したBlasterは「10分間で30万台に広まり、人のレスポンスでは追いつけない」状況となり、今後は未知の脆弱性を利用した新たな脅威が登場するだろうと予測している。
特に同社の収益の8〜9%を占めるという日本市場に対して、同氏は「日本企業のセキュリティ投資は、欧米に比べ10分の1というのが現実。セキュリティ技術の採用が遅れている」と述べた。そのうえで、「インターネットでは、さらされる脅威は欧米も日本も変わらない。適切な投資を行ってほしい」とメッセージを送る。また、日本市場は「企業よりも家庭でのセキュリティ製品の普及率が高い」との見方を披露した。
IDCの調査によると、近年セキュリティ市場は年平均19%の成長を見せている。この市場の伸び率の約2倍ペースで成長を遂げているという同社は、脅威に対しセキュリティライフサイクル全体をカバーするコンセプトを打ち出している。「アラート」「プロテクト」「レスポンド」「マネージ」の4つの流れで適切な対処を行うことで、変化する脅威に企業が対応できるようにしようというもの。
同社は既に、世界80カ国にリアルタイムセンサーで収集・分析された情報を早期に提供・認知を促す第一段階の「アラート」、そして実際にセキュリティ技術で攻撃を防御する「プロテクト」、定義ファイルのアップデートやサポートセンターと連携する「レスポンド」、そして、運用を管理する「マネジメント」の各セグメントに対し、ソリューションを提供しており、今後は、これらのセグメントで複雑化しているセキュリティをシンプルなものにしていく方針だ。
また、この会見では、今後イベントドリブン型で自動的にパッチを適用できる技術を提供する計画があることにも触れられたほか、既知の脆弱性に対する攻撃パターンから未知の脆弱性への攻撃パターンを予測して事前防衛できるBehavior of Blockと呼ばれる技術を開発していることを明かしている。
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[堀 哲也,ITmedia]
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