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2004/01/28 12:21:00 更新


米Oracle、RFID機能が組み込まれた倉庫管理ソリューションを発表

米Oracleは、「Oracle AppsWorld 2004 San Diego」カンファレンスで、次期「Oracle Warehouse Management 11.5.10」にRFIDやEPCを活用できる機能を組み込むと発表した。

 米Oracleは米国時間1月27日、カリフォルニア州サンディエゴで行われている「Oracle AppsWorld 2004 San Diego」カンファレンスで、開発中の「Oracle Warehouse Management 11.5.10」にRFID(無線ICタグ)やEPC(電子製品コード)を活用できる機能が追加されることを明らかにした。

 今年の夏にリリースされるというWarehouse Management 11.5.10では、RFIDへのラベリング機能、各種RFID読み取り/書き込みデバイスのサポート、読み取ったデータをフィルタリングするミドルウェア機能などが追加されるという。

 米国ではプライバシー問題が指摘されるなどし、一時「RFIDバブルは崩壊した」ともいわれたが、製造や物流では着々とその応用が進んでいるという。RFIDは、手作業によるバーコードの読み取り作業が必要なく、サプライチェーンにおけるトランザクションを自動化してくれたり、透明性を高めてくれると期待されている。WalMartや国防総省が主要なサプライヤーに対し、2005年までに配送するパレットすべてにRFIDを組み込むよう指示を出したことが大きな流れをつくりつつある。EPCはサプライチェーンにおける個別認識方法の業界標準になるとみられるものだ。

 OracleでWarehouse Managementソフトウェアや在庫管理アプリケーションを担当するジョン・コアリー上級ディレクターは、OracleのRFIDサポートの強みを「既存システムにビルトインされており、リスクも少ない」と話した。Oracle Application Server 10g、Oracle Database 10g、およびWarehouse Managementアプリケーションの各レイヤでRFIDを活用する機能が組み込まれ、統合化されたRFIDプラットフォームと包括的なアプリケーションとして提供されるという。

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在庫管理ソリューションを担当するコアリー氏


 リアルタイムでRFIDの情報を追跡、保存、処理することができるほか、RFIDによって得られたデータをOracle Database 10gに格納しておけば、受注プロセスにおける隠れた動向やパターンを認識することもでき、新たなコスト削減につなげられる。

 Warehouse Management 11.5.10で入荷を受け付ける典型的なプロセスはこうだ。トラックからフォークリフトがパレットを倉庫内に運び入れるゲートでセンサーがRFIDを読み取る。Oracle Application Server 10g上で動作するRFIDミドルウェアがIDを抜き出してアプリケーションに送る。これが入庫に必要な情報と一緒に処理され、すべて正しければ入庫処理が確定し、そうでなければ、RFIDの再読み取りを指示するか、入庫を受け付けない指示を出すというものだ。

 Oracle E-Business Suiteのユーザーである7-Elevenは、この1年間、RFID技術の導入を評価してきた1社だ。同社のキース・モローCIOは、「プロセスが効率化され、在庫管理の精度が高まり、大幅なコスト削減が期待できる」と話す。さらに同社は、RFIDによって品目別、店舗別の在庫管理を効率良く実現することを視野に入れているという。

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[浅井英二,ITmedia]

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