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2004/02/05 03:11:00 更新


「10GbE市場は2005年末には10億ドル規模に」、フォーステンがエントリーモデル投入

フォーステン ネットワークスは2月4日、10GbE対応スイッチのエントリーモデルとなる新製品「E300」の販売を開始した。

 サービスプロバイダーや大規模企業向けに10ギガビットイーサネット(10GbE)対応のハイエンドスイッチ「Eシリーズ」を提供しているフォーステン ネットワークスは、2月4日、エントリーモデルとなる新製品「E300」の販売を開始した。

 E300は、メトロサービスやDSLサービスを展開するプロバイダーのエッジ(アグリゲーション)や企業データセンター、サーバファームなどでの利用を想定した小型スイッチ。といっても8Uサイズのきょう体に最大6つのインタフェースカードを搭載できるモジュール型の製品だ。

 400Gbpsのバックプレーンを備え、ギガビットイーサネットならば最大72ポート、10GbEは6ポートまで搭載できる。そろそろ10GbEへの移行を考えたいが、いきなり全面的に導入するには抵抗があり、「もう少し小さいハコはないか」という顧客の声に応えてリリースしたものという。

 ルーティングをつかさどる独自OS「FTOS」やASICといった部分は、既に市場に投入済みの「E600」や「E1200」と共通だ。信頼性の確保についても同様のアプローチを取っており、電源やスイッチ・ファブリック、RPM(ルート・プロセッサ・モジュール)など主要なコンポーネントはすべて冗長化されている。

 「アーキテクチャに組み込まれた信頼性こそわれわれの強み。ネットワークが拡大するにつれて、そこにはクリティカルなデータが流れるようになる。したがって信頼性は非常に重要な要素だ」(米Force10 Networks社長兼CEOのマーク・ランドル氏)。

 昨今ではワームのまん延によってトラフィックがあふれ、ネットワーク機器の挙動に影響が生じるといった事態が起きているほか、ネットワーク機器そのものの脆弱性を狙った攻撃も登場している。E300はこの面での対策も施している。CPUは決して直接トラフィックを扱うことない。しかもCPUに対するデータに一種のQoSをかけることにより、必要以上に長い――不審な攻撃コードである可能性の高い――データは破棄する仕組みだ。こうした工夫によって、DoS(サービス妨害)攻撃はもちろん、Slammerのようなトラフィックを急増させるワームが登場するような場合でも本体の稼動が不安定になることはなく、通信を継続できるという。

 もう1つの強みはコストである。E300の価格は、基本的なコンポーネントのみを搭載した最小構成で800万円から。10GbEのポート単価は、おおむね500万円程度になるという。「E300は(10GbE導入の)コストに対するリスクを軽減するもの」と同社のセールスエンジニアリンググループダイレクタの兵頭弘一氏は語っている。

 標準化から1年半あまりが経過した10GbEだが、今のところはまだメインストリームには至っていない。しかしブロードバンドの普及やサーバ統合、グリッドコンピューティングなど、10GbEを必要とする領域は広がってきているとランドル氏は言う。

 「ファストイーサネットやギガビットイーサネットがそうだが、過去のテクノロジはいずれも市場投入から3年後に10億ドル規模の市場に成長してきた。10GbEも同じように成長し、2005年末までには10億ドル規模に達するだろうと予測している」(ランドル氏)。

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[高橋睦美,ITmedia]

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