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2004/02/12 13:13:00 更新


アクセラ、テキストマイニングで顧客の声を生かすコンタクトセンター向け新製品発表

アクセラテクノロジは企業のコンタクトセンターに蓄積される顧客への対応履歴ログを活用する新製品「eAccela InnovationCenter AutoReport」を同日から販売すると発表した。

 アクセラテクノロジは2月12日、都内で記者発表会を行い、企業のコンタクトセンターに蓄積される顧客への対応履歴ログを活用する新製品「eAccela InnovationCenter AutoReport」を同日から販売すると発表した。同製品により、企業は日々コンタクトセンターに蓄積されるデータを分析し、マーケティングや経営戦略、システム基盤の拡充などに生かすことができる。

 eAccelaは、富士通が1997年に並列コンピュータの大規模検索向けソフトの開発を始めたことに端を発するソフトウェア。2001年8月に、同開発グループが富士通からスピンオフする形で設立したのがアクセラテクノロジーだ。その後、日英自動翻訳サーバ、自動分類サーバ、パーソナライゼーションサーバなどをリリースしており、e-コマースやナレッジマネジメント、コンタクトセンター向けに多くのユーザー企業に利用されている。

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進藤社長

 同社の進藤達也社長は、「企業の貴重な資産である顧客の声はうまく活用されていない」と話す。現場で上がる苦情などがコンタクトセンターで止まってしまうことも多いという。そこで、こうした顧客の声をテキストデータ上で分析するのが新製品の機能となる。

 同社は従来型のテキストマイニングは仮説を検証するタイプであり、あくまでレポートを作成するという意味が強いとする。一方で、InnovationCenter AutoReportは、ログを分析して、さしあたり詳しいことは分からない状態でも、結果がメールで配信される自動報告型。これにより、担当者および経営者層がビジネスの変化にすばやく気づくことを重視している。従来型の手動分析はその後に行うことになる。仮説ではなく、実際に上がったトレンドを早期に見つけ、分析する点が特徴となっている。

 製品を支える技術の1つが出現単語集計エンジ。顧客の声となる膨大なデータの中で、複数出現した単語を時系列に集計することで、生データを眺めているだけでは気づきにくい大局的な流れをつかむことができる。例えば、ある時期に特定製品の苦情が増えたことが分かれば、その時期に製品の仕様や流通チャネル、マーケティング施策などになんらかの原因となる動きがあったかを照合させることで、市場の動きを捕らえることができるわけだ。

 その結果、故障や欠陥といったクレームに迅速に対応でき、それが危機管理につながったり、ボトルネックのすばやい解消、経営革新の加速を促すこともできる。

 また、もう1つの基幹技術であるダイナミックドリルダウンにより、例えば製品のインストールへの苦情が多く寄せられた場合に、どの製品への問い合わせが多いかなど、内訳を調べることも容易という。

 この日、InnovationCenterのこれまでのユーザーとして、アマダが紹介された。同社は、製品をSiebelと連携しながら、顧客の声をサポートメンバー間で共有したり、分析機能を利用して製品開発チームにフィードバックするといった形で利用している。これにより、現状採用している部品を最適なものに変更するといったさまざまな決定を下すことができるという。

 同製品は、Excelを利用したシミュレーション機能など、Microsoft製品との連携を前提としている。対応OSは、Windows 2000 Server以降、データベースはSQL Server 2000 SP3a。ソフトウェアライセンスは月額30万円からとなっており、今後3年間で50本の導入を目標としている。

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[怒賀新也,ITmedia]

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