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2004/02/12 21:11:00 更新


ストレージテック、新製品の投入でライフサイクル管理戦略を強化

日本ストレージ・テクノロジーは、情報ライフサイクル管理(ILM)戦略を強化すべく、シリアルATAベースのディスクを採用したディスクサブシステムの新製品「B220」「B280」と、ディザスタリカバリやビジネス継続を支援するアプライアンス「MirrorStor」を発表した。

 日本ストレージ・テクノロジーは2月12日、シリアルATAベースのディスクを採用し、コストパフォーマンスを高めたディスクサブシステム「Bシリーズ(BladeStore)」の新製品「B220」および「B280」を発表した。同時に、リモート/ローカルのミラーリングとレプリケーションを実現するアプライアンス製品「MirrorStor」もリリースしている。

 IDC Japanの調査によると、国内の企業がストレージ管理の課題として挙げる項目の第一は「バックアップの効率化」。続いて、いかなる事態が起きてもビジネスを継続させるための「災害対策」がくるという。しかもこれらの背景には、増え続けるデータ、複雑化する運用管理といった、より根本的な問題が横たわっている。

 「データの総量はとどまることなく増加しており、それに伴い、管理も複雑になっている。バックアップやアベイラビリティ、サービスレベルなど、ストレージを取り巻く課題は尽きない。一方でIT投資は伸び悩んでおり、非常に厳しい状況にある」(同社マーケティング本部長の吉川知男氏)。にもかかわらず、すべてのデータを同じように取り扱い、同一の手法で運用管理を行っている点に、根本的な原因があるという。

 この状況を打開するのが、同社が掲げる情報ライフサイクル管理(ILM)というアプローチだ。「潤沢にITに投資を行えた昔ならばともかく、いまやデータの価値に応じて適切な管理方法を選択し、TCOやサービスレベルを調整していかなければならない」(吉川氏)。そのためには、高速なディスクや安価なATAディスク、より安価なテープなどを適切に組み合わせていくべきだという。

 今回リリースされた2種類の製品は、そのILM戦略を補完し、顧客にとって焦眉の課題となっている2つの問題を解決するためのものだという。

 B220/B280は、同社が提供するファイバチャネル(FC)対応の高速ディスクサブシステム「Dシリーズ(D200)」の設計を踏襲しながら、シリアルATAハードディスクを採用することによって、パフォーマンスとコストの両立を図った製品だ。最大ディスク容量は、B220が28TB、B280は56TBとなっている。既存製品のBladeStore BC84が大規模システムを想定しているのに対し、これらの新製品はエントリレベルをターゲットにしており、容量の追加を小刻みに行える。

 もともとBシリーズは、更新頻度が少ない固定コンテンツの保存や、高速なバックアップを実現する「ディスクtoディスクtoテープ」といった構成を想定した、コスト効率に優れたストレージシステムだ。プライマリデータの保存に利用されるFCベースのディスクシステムに比べると、I/O性能は劣るものの、連続したデータの読み出し/書き込みには優れるという。またコストメリットにも優れており、同社の比較によると、1GB当たりのコストはFCベースの製品の約3分の1にまで抑えられるという。

 価格は、B220が基本構成(3.5TB)で745万円から。同日より出荷が開始されている。

 もう1つの新製品、MirrorStorは、データのレプリケーションやミラーリングに特化したアプライアンス製品だ。FCを6ポート、ギガビットイーサネットを2ポート搭載しており、ローカル環境だけでなく、WANやIPネットワーク経由でリモートの同期/非同期ミラーリングを行えるほか、レプリケーションやバックアップを行える。

 MirrorStoreは、異機種混在環境に対応するほか、スナップショット機能、ボリュームロールバック機能などを備えており、きめ細かいバックアップ/リカバリが可能だ。これを活用すれば、24時間365日体制での稼動が求められるシステムでも、バックアップ・ウィンドウを最小限に抑えるディスクtoディスク型のバックアップが可能になる。また逆に、リカバリに要する時間も抑えられるため、ひいては障害や災害が発生したときのダウンタイムの最小化にもつながるという。

 同社はアプライアンスの形で製品を提供することにより、国内ではあまり導入が進んでいないディザスタリカバリ/ビジネス継続の実現を支援し、企業にとってますます重要性が増しているデータの保護を図っていくという。MirroStorの価格は506万3000円で、出荷は5月6日の予定だ。

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[高橋睦美,ITmedia]

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