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2004/02/25 22:10 更新


ベリタス、ポリシーでデータの保存場所を最適化するストレージ管理製品

ベリタスは、「VERITAS Storage Foundation 4.0 」を発表した。ポリシーに基づきデータの保存場所を最適化したり、異なるOS間でのデータ移行を可能にする新機能などを備え、同社のユーティリティコンピューティング戦略を一歩押し進める。

 ベリタスソフトウェアは2月25日、VERITAS Foundation Suitの最新版「VERITAS Storage Foundation 4.0」を発表した。ポリシーに基づきデータの保存場所を最適化したり、異なるOS間でのデータ移行を可能にする新機能などを備え、同社のユーティリティコンピューティング戦略の土台となる製品だ。4月中旬にSolaris対応版から販売され、第3四半期にLinux対応版/AIX対応版、第4四半期にHP-UX対応版をリリースする予定だ。

 VERITAS Foundation SuitはVERITAS File Systemとストレージ仮想化ツール「VERITAS Volume Maneger」を統合したスイート製品。これまでVERITAS Foundation Suitの名で販売してきたが、新版からはVERITAS Storage Foundationと名称を変える。 これら技術は、サン・マイクロシステムズやヒューレット・パッカードなどのプラットフォームベンダーにOEM供給されており、商用ファイルシステムとしては、約70%のシェアを誇っている(IDC調査 2003年6月)。

 最新版では、大幅な機能強化を図った。新機能として、Quality of Storage Service(QoSS)、インテリジェントストレージプロビジョニング、ポータブルデータコンテナーの3機能を備えた。

 QoSSと呼ばれる機能は、設定したポリシーに基づきデータの保存場所を自動的に最適化する。ファイルの利用頻度や重要性に応じて、高価なストレージから安価なストレージへ保存場所を変えることが可能だ。同社のファイルシステム「VxFS」が複数のVxVMボリュームを1つのボリュームとして使うことができ、ファイルのディレクトリ構造などを気にすることなく再配置することができるという。

 ベリタス技術本部の荒木正信氏は、「最近は非常に多くのアクセスあるWebサイトなどがあるが、アクセス頻度が低いものをコストの低いストレージに移動させるなどの使い方ができる」と話す。また、マーケティング本部の中野逸子氏は「月次処理が済むまではパフォーマンスの良いストレージに、それが済んだら低コストのストレージに移すといった使い方もできる」という。

 インテリジェントストレージプロビジョニング機能は、ストレージに関する設定をテンプレートにして、新規ストレージをアロケーションできるもの。これによりストレージの迅速かつ正確なプロビジョニングを可能にする。中野氏によると、管理者の負荷を減らせるだけでなく、管理者で異なるストレージ管理スキルを標準化できるメリットがある。

ポータブルデータコンテナー機能は、異なるOS間でのデータ移行を可能にする技術。これを利用することで、特定ベンダーのプラットフォームに縛られることなく自由なデータ移動が行える。ただ、この機能を異なるプラットフォーム間で利用するには、それぞれにVERITAS Storage Foundation 4.0になる。そのため、「各プラットフォーム対応版がでた段階で真価が発揮できることになる」(中野氏)。

 VERITAS Storage Foundation 4.0をベースにした特定環境向けファミリも販売される。4月中旬に販売予定の製品は「VERITAS Storage Fundation for Oracle」「VERITAS Storage Fundation for Oracle RAC」「VERITAS Storage Fundation for DB2」「VERITAS Storage Fundation for Sybase(英語版)」「VERITAS Storage Fundation Cluster File System」となっている。

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[堀 哲也,ITmedia]

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