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2004/02/26 22:59:00 更新


「サービスプロバイダは帯域商売からSLAへ」、シスコフェローのベーカー氏

シスコは、同社技術の方向性を示す「Next Generation Network seminar 2004」を開催した。CoreIP Ciscoフェローのフレッド・ベーカー氏は基調講演で、サービスプロバイダは帯域商売からSLAに基づいたビジネスに変わる必要があると訴えた。

 シスコシステムズは2月26日、同社技術の方向性を示す「Next Generation Network seminar 2004」を都内ホテルで開催した。基調講演には、CoreIP Ciscoフェローの称号を持つフレッド・ベーカー氏が登場。サービスプロバイダは、帯域商売からSLAに基づいたビジネスに変わる必要があると訴えた。

 ベーカー氏は、1996年〜2001年までIETFのチェアマンを務め、多くのネットワーク技術の標準化に勤めた人物。現在は、IETFのInternet Archtecture Boardの一員となっている。

フレッド・ベーカー氏

フレッド・ベーカー氏


 「今また大きな変化が起こっている。インターネットがすごいのは継続的に変化が続いているということだ」

 かつて閉鎖的だったインターネットは、Webの登場でトラフィックを増大させる変化を見せたが、現在は多くの機器が接続し多様なアプリケーションが利用される方向に変化している。企業はこれを積極的に活用し、生産性を向上させようと考えている。サービスプロバイダは、このような流れに対応していかなければいけない、とベーカー氏。

 企業はネットワークアプリケーションで生産性を向上させることを考えており、確実な予測のできるサービスを求めている。にもかかわらず「サービスプロバイダは伝統的に帯域商売で、この手の商売にはなれていない」とベーカー氏は言う。

 サービスプロバイダはユーザーがどういういったアプリケーションを使いたいのか考え、帯域商売からSLAに基づいてサービスしていく方向に流れていく。インターネットで予測可能なサービスを提供できれば、さらに商用としての可能性を高められる。シスコでは、これに対しTCPをエンハンスして予測可能なサービスが提供できないか、考えているという。

 またベーカー氏は、あるサービスプロバイダのトラフック分析を示し、バックボーンの80%をP2Pソフトが占めているとも話す。90年代、トラフィックの大半を占めたWebのセッションは長く続くことはなかったが、P2Pは常にある程度の帯域を消費し続ける。P2Pがほかのアプリケーションを追い出してしまう可能性があるのだ。これをコントロールするため、「エッジルータにコントロール機能を入れられないか」シスコは研究を進めている。

 また、特別な通信に対してアイデンティティを適用してサービスの持続性を維持することも考えているという。

関連リンク
▼シスコシステムズ
▼Next Generation Network seminar 2004

[ITmedia]

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