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2004/04/07 18:08 更新


3月はNetskyの亜種が猛威

4月7日に発表されたIPA/ISECとシマンテックの2つのまとめから、3月はNetskyの亜種が猛威を振るったことが分かる。

 独立行政法人情報推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)が4月7日に発表した3月のコンピュータウイルス届出情報ではNetskyワームが全体の40%を超えた。また、シマンテックが同日発表した月間セキュリティレポートでもNetskyの亜種が上位10位中の5件を占め、3月はNetskyが猛威を振るった月だったことが分かる。

 IPA/SECのまとめでは、Netskyの届出だけで2月の届出数1733件を上回る1795件が報告されている。IPA/SECへの3月の届出数も4012件と2月の2倍以上に増えているが、IPA/SECは3月に届出を行いやすくするため、届出への協力依頼を行うなどしており、単純に比較することはできない。

 Netsky亜種の中でも、特にNetsky.Qが発生とともに被害を拡大したことに触れており、当初、ウイルス対策ソフトの検出データ配信が間に合わなかったこともあり感染が急増したとしている。

 Netsky.Qに感染しているPCを4月8日〜11日の間に起動すると、特定のWebサイトに対してDoS攻撃を仕掛ける。そのため、IPAでは、DoS攻撃の発信元にならないよう、事前に感染の有無を確認するよう勧めている。

 また、「ウイルス対策ソフトを常に最新版に更新していて検知されなかったので、添付ファイルを開いたら感染してしまった」との相談も寄せられているようで、「ウイスル対策ソフトがすべてのウイルスに瞬時に対応するには限界がある。たとえ最新のウイルス検出データに更新していても、新種ウイルスを検出することができない時間帯が発生する可能性がある」と、ウイルス対策ソフトが検知しなくても怪しいメールは開かないように、注意を促している。

 IPA/ISECの3月の届出ウイルストップ10は以下の通り。

順位ウイルス届出件数
1位W32/Netsky1795
2位W32/Mydoom479
3位W32/Klez346
4位W32/Bagle268
5位W32/Swen201
6位W32/Bugbear148
7位W32/Mimail129
8位W32/Fizzer78
9位W32/Welchia70
10位VBS/Redlof68

 一方、シマンテックのまとめでも、Netsky.D、Qが1位、2位を占めた。シマンテックSecurity Responseの星澤裕二氏は、「最近の大量メール送信型ワームは、エラーメールをほとんど出すことなく、確実に届くメール送信機能を持っている。これらも影響して、感染被害を以前よりも広げているのではないか」と推察している。

 またランキング外なものの、ファイル共有ソフト「Winny」で被害を広げているAntinnyワームに言及しており、日本語が使われるため日本人が被害を受けやすいワームといえると注意している。

 シマンテックの国内月間ウイルス報告件数ランキングは以下の通り。

順位ウイルス今月件数
1位W32.Netsky.D842
2位W32.Netsky.Q303
3位W32.Bugbear.B189
4位W32.HLLW.Gabot.Gen183
5位VBS.Redlof.A174
6位W32.Netsky.P106
7位W95.Hybris.worm84
8位W32.Klez.E80
9位W32.Netsky.B70
10位W32.Netsky.C67

関連リンク
▼IPA/ISEC
▼シマンテック

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