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2004/04/08 22:55 更新


コールセンターからの情報漏えい防止目指しNTTネオメイトと産総研が共同研究

NTTネオメイトと産業技術総合研究所は、グリッド技術を活用してコールセンターなどからの顧客情報の漏えいを防ぐシステムの共同研究を開始する。

 エヌ・ティ・ティ ネオメイト(NTTネオメイト)は4月8日、産業技術総合研究所とともに、コールセンターなどからの顧客情報の漏えいを防ぐための共同研究を開始すると発表した。

 顧客情報の漏えい事件が相次いで発生しているが、その漏えいルートの1つにコールセンターがある。特にこの場合、一カ所に大量の顧客情報が集中していることから、ひとたび漏えいが発生した場合の被害は甚大だ。

 今回の共同研究では、コールセンターでオペレータが入力した顧客情報をそのままファイルとして保存する代わりに、細分化した上で複数のデータセンターに転送し、グリッドコンピューティング技術を用いて分散して保管する仕組みを開発していく。このとき、細分化した情報を転送する「顧客情報管理サーバ」は、内部に情報を保持することはせず、保管場所の情報だけを暗号化した上で管理する。

 こういったアプローチにより、データセンターのストレージや顧客情報管理サーバから情報を抜き出すことが困難になるうえ、万一盗まれた場合でも、細分化されていることから情報としての価値はなくなるという。

 NTTネオメイトは同時に、ASP的にコールセンターの機能を提供する「AQStagePF IPコールセンターサービス」のセキュリティ機能を強化することも発表している。顧客情報の管理を、一定のセキュリティルールの下で第三者にゆだねるほか、サーバベースコンピューティング技術の活用、外部記憶装置の利用停止やログの保管といった措置を実行。さらに、業務終了後はハードディスクに記録された顧客情報を完全に消去する。

 NTTネオメイトではこれらのセキュリティ強化に加え、産業総合研究所tの共同研究の成果も、2004年度第3四半期をめどに実用化し、AQStagePF IPコールセンターサービスに適用していく方針だ。

関連リンク
▼NTTネオメイト
▼産業技術総合研究所

[ITmedia]

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