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2004/05/17 01:45 更新


Symbol Technologies、バーコードスキャナとRFIDで小売製造業のモバイル環境を実現

バーコードレーザースキャナやモバイル端末、無線LAN機器などを企業向けに提供する米Symbol Technologiesに話を聞いた。

 スーパーやコンビニエンスのレジで、買い物の精算のために使われているバーコードレーザースキャナは、現在では広く普及している。今後は、製造業や物流のバックエンドの分野から、非接触型の無線ICタグであるRFID(Radio frequency identification)が使われようとしており、将来的には消費者の実際の購入現場でも利用されると言われている。

 バーコードレーザースキャナやモバイル端末、無線LAN機器などを企業向けに提供する米Symbol Technologiesに話を聞いた。

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「エンタープライズモバイルで企業に利益をもたらす」というSymbol Technologies Asiaのバイスプレジデント、ブライアン・マーフィー氏(右)、日本法人社長の井上和生氏

 Symbol Technologiesは、ビジネスの現場において、情報をリアルタイムに収集し、移動、管理することをテーマにしている。モバイルプラットフォームと端末、ソフトウェアとサービスを組み合わせ、ソリューションとして、小売、運輸、物流、製造の企業に提供されている。

 例えば、ウォルマートやカルフール、日本では西友、マルエツなどの小売業者や、東芝テックにも製品を提供している。

 Symbol Technologies Asiaのバイスプレジデント、ブライアン・マーフィー氏は、サプライチェンやCRMとの連携についても触れる。現在、製造業から小売業まで、エンドツーエンドに製品を管理しようとする取り組みが活発になっている。

 ここで大事な役割を果たすのがRFIDだ。RFIDを活用することで、製品を生産段階の部品表のレベルから管理、調達し、生産後は完成品在庫として、物流現場においてもトラッキングできる。これにより、企業が持つ在庫水準が適正化し、スリムなビジネス展開が可能になる。

 ここで重要になるのは、RFIDを読み取るスキャニング技術。バーコードとRFIDの決定的な違いは、RFIDが全方位にデータを読み取れること。これにより、バーコードのように、商品を一つひとつスキャナにかざす必要もなくなる。テレビのコマーシャルで見かける未来のスーパーマーケットでは、顧客がレジに並ばず、さながら万引きのように店舗を後にするが、これは、RFIDの全方向読み取りがなければ実現不可能だ。

 だが、現状では、まだまだ技術的な課題がある。米国の大手コンサルティング企業、A.T.Kearneyのデイブ・ドナン氏は「RFIDはまだ技術的に成熟しておらず、確かにすばやく情報を読み取ることができるが、読み取りミスもまだまだ多い」と話し、対策をしなくては「RFIDは無駄な投資に終わる」としている。現在のところ、まだRFIDは実用段階にはないと言っていい。

 将来的な対応を予定するものの、Symbol Technologiesの主力製品は現在はスキャナ技術と無線LAN関連製品。

 小型オムニプロジェクションスキャナの「LS9208」は、100本(オムニスキャン+ラスタスキャン)のレーザーでスキャンパターンを構成していることが特徴。書籍/アパレル分野などで使用されている多段バーコードの読み取りに対応している。

 今後、スキャナ技術の進展とともに、RFIDが実用化に向けてどのような道を歩むのかに注目が集まる。

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