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2004/05/21 01:06 更新
システムベンダーの優位性生かす、日本HPがILM分野へ
日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月20日、ILM分野への参入を発表。新たに投入する新規格のFATA HDDで「ニアオンラインストレージ」も実現する。
「ビジネスに対応したILMソリューションはシステムベンダーにしか提供できない」――日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月20日、インフォメーションライフサイクルマネジメント(ILM)分野への参入を発表し、優位性を強調した。
ILMは、EMCをはじめとするストレージベンダーが今盛んに提唱している管理コンセプト。データは生成から削除に至るまでの間、その重要度は変化する。この重要度に合わせて格納するストレージを最適なものへ移していけば、ストレージにかかるコストをもっと効率化できるという考えから生まれた。
だが日本HP ネットワークストレージ製品本部の渡辺浩二本部長によれば、ストレージシステムしか持たないベンダーのILMは、部分最適はできてもビジネス全体の重要度とデータを適切に組み合わせる全体最適化には程遠い。「HPはビジネスニーズを探るコンサルティングからセキュリティ、ネットワーク、運用管理など、一段大きい視点でILMを実現できる」と語り、システムベンダーとしてこの分野へ参入することに自信を見せる。
例えば、データの現状を分析するために、ファイル名やサイズ、オーナーアクセス頻度、増減トレンドなど細かな項目で、分散したデータの重要度を解析できるIntermineのツールを利用して、コンサルティングする点を競争力の一つとして挙げる。ILMの効果を引き出すには、重要度をいかに判断するかがポイントになるが、「ストレージベンダーはアクセス頻度だけで重要度を判断しているにすぎない」と渡辺氏。
このILMソリューションを推進するため、同社が「ニアオンラインストレージ」呼ぶ新しいカテゴリの新規格HDD、FATA(Fibre Attached Technology Adapted)対応HDDを発表している。
HPとSeagate Technologyが共同開発したFATA HDDは、S-ATAドライブをベースにファイバチャネル(FC)互換の接続インターフェースを持つ。FCドライブを搭載するディスクアレイに、FC HDDよりも性能や可用性は落ちるが、安価に大容量を搭載できるメリットがある。ネットワークストレージ製品本部プロダクトマーケティング担当の諏訪英一郎マネジャーによれば、アクティブなオンラインデータを格納するFCやSCSIと、バックアップなどに利用するテープの間を埋める新しい規格になる、という。HPとSeagate以外にも採用の動きがあるようで、「業界標準のテクノロジーになるだろう」とも諏訪氏は話す。
このFATA HDDは7月に発売する予定で、価格は「FC HDDに対しギガバイト当たり半分程度の価格で提供したい」としている。
同時に、日本HPは2月から開始した容量ベースでストレージを購入できる導入支援プログラムのラインアップも強化。ハイエンドテープライブラリ「HP StrageWorks ESL」シリーズに対応したメニューや、SANスイッチ「Cisco MDS 9590マルチレイヤディレクタ」をポート数あたりの一定単価で購入できるメニューを追加し、将来を見据えてILMを実現して行こうとするニーズも掘り起こす。
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[堀 哲也,ITmedia]
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