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2004/05/26 15:26 更新


マイクロソフト、国内でもソフトウェアのサポート期間延長を発表

マイクロソフトは5月26日、サンディエゴで開催中のTechED 2004での発表を受け、国内でもソフトウェアのサポートに関するポリシーの改定を発表した。

 マイクロソフトは5月26日、サンディエゴで開催中のTechED 2004での発表を受け、国内でもソフトウェアのサポート期間に関して延長を行うポリシーの改定を発表した。

 今回改定されたのは、サポートライフサイクルポリシーと呼ばれるもので、これは同社が提供する製品へのサポート提供期間およびその基本内容を示したもの。この中の、ビジネスおよび開発用ソフトウェア製品のサポート提供期間を、最短でも10年間とすること、またセキュリティに関する更新プログラムもこれに伴って最短10年間、無償で提供されることになる。

 この新ポリシーは2004年6月2日から適用される。対象は、ビジネスおよび開発用ソフトウェア製品のうち、発売されてから5年以内のものと、今後発売される新製品となる。ホームユーザー製品や、すでに延長サポート期間に突入した製品(Windows 98やNT 4.0など)は、現在のところ適用外となっている。

■サポートライフサイクルの変更点について

フェーズ(期間)

変更前 変更後
メインストリームサポート 製品発売から5年

次のうちいずれか長いほう

・製品発売から5年

・後継製品の発売から2年

延長サポート

メインストリームサポート終了から2年

次のうちいずれか長いほう

メインストリームサポート終了から5年

・2番目の後継製品発売から2年

オンラインセルフヘルプサポート

最短8年 最短10年

サービスパックに対するサポート

次のうちいずれか長いほう

・次サービスパック公開から12カ月

・次々サービスパックが公開されるまで

次サービスパック公開後12カ月(ただし顧客状況に応じて24カ月とすることをその都度検討)

※フェーズ(期間)の説明

メインストリームサポート フェーズ:すべてのサポートおよびオプション(無償インシデントサポート、有償インシデントサポート、一時間ごとに料金が発生するサポート、修正プログラムサポート、セキュリティ更新プログラムサポート(無償)など)を提供する期間

延長サポート フェーズ:セキュリティ更新プログラムサポート(無償)とともにすべての有償サポートオプションを提供する期間。セキュリティ関連以外の修正プログラムのサポートは、メインストリームサポート終了後90日以内に購入する延長修正プログラムサポート契約が別途必要

オンラインセルフヘルプサポート フェーズ:マイクロソフトのオンライン上で公開されるサポート技術情報、「よく寄せられる質問」、トラブルシューティングツールなどのリソースを提供する期間。これらの情報を活用して、ユーザー自身で問題を解決する

 マイクロソフトは2002年10月から全製品を対象に、「マイクロソフト サポートライフサイクル ポリシー」の適用を進めてきた。従来、ビジネスおよび開発用ソフトウェアについては最大7年のサポートが提供されてきたが、これが改訂後は最短でも10年間となった。これにより、企業内でのソフトウェアライフサイクルが、バージョンアップや後継製品によって受ける影響を最小限にでき、ユーザーに安心感をもたらすとともに、最低でも10年間セキュリティに関する対応が取られることになる。

 さらに、後継製品の発売を起点とする考え方は今までになかったもの。これは国内の顧客からの要望が多いため、日本のサポートチームが米国本社に提案、実現したもの(同社セキュリティレスポンスチーム ライフサイクル プログラム マネージャ 佐々木理恵氏)という。

 新ポリシーによって、現在サポートフェーズにある製品はサポート期間が変更される。例えばWindows 2000 Server/Professionalのメインストリームフェーズは2005年6月30日(四半期最終日により)まで、延長サポートフェーズは2010年6月30日まで、あるいはLonghorn発売から2年間となる。

 またサービスパックについては、つねに次サービスパック公開後から12カ月が移行期間として確保されることになり、互換性のために導入をためらう企業ユーザーにはこれも朗報といえる。

 さらなる詳細については、6月2日から公開される同社Webサイト上に掲載される予定。