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2004/05/27 16:07 更新


「SANでもデルモデルを」――デル、100万円切るSAN対応ストレージを発表

デルとEMCジャパンは、ストレージ事業での提携を強化したと発表した。100万円を切るDell|EMCブランドのSAN対応ストレージ「AX 100」を投入し、PC/サーバで成功するデルモデルをSANでも展開する。

 デルとEMCジャパンは5月27日、日本でも共同で記者会見を開き、ストレージ事業での提携を強化したと発表した。100万円を切るDell|EMCブランドのSAN対応ストレージ「AX 100」を投入し、PC/サーバで成功するデルモデルをSANでも展開する。

 AX 100は、中堅・中小企業に向けたエントリーSANストレージ。最小構成価格は99万4350円と意欲的な価格を設定した。「従来のEMCストレージの半分程度の価格だ」(米EMC ジョエル・シュワルツ上級副社長)。

 同システムは、8台までのホスト接続をサポートし、SANおよびDAS接続が可能。HDDにはシリアルATAディスクを採用し、ディスク容量は480Gバイトから3Tバイトを搭載できる。自動フェイルオーバー、スナップショットといったソフトも同梱する。対応プラットフォームはWindows/Linux。オプションで、Brocadeのスイッチ、QlogicのHBAも提供する。日本向けにはDellのマレーシア工場で8月から生産を開始する予定だ。

シュワルツ氏(左)、浜田氏(中)、中山氏(右)

左から米EMCのシュワルツ上級副社長、デルの浜田社長、EMCジャパンの中山社長


 この低価格戦略により、両社は今までSANに手に届かなかった中堅・中小企業をターゲットにしていくという。

 デルの浜田 宏社長は「標準化が進めば、誰でも作れて、買えて、の世界になって行く。今、ストレージは標準化が進むまっただなか。デルがもっとも活躍できる分野だ」と話した。同社の分析では、150万円以下のローコストSAN市場の2倍のスピードで成長し、2006年までに市場の30%を占めるまでになる。「ダイレクトビジネス、スタンダーリゼイションのより、SANの価格を下げる」とも述べ、さらにデル効果を発揮させたいと強気だ。

 同氏によると、Dell|EMCブランドの2004年第1四半期は、ワールドワイドで前年同期比25%の成長を遂げ、日本国内の伸びはその数倍という数字だった。一方のEMCジャパンの中山隆志社長は、「コマーシャル市場にEMCは弱い。デルの力を借りて、コマーシャルでのブランドイメージとビジネス基盤を作りたい」と語る。

 EMCは、5月から東京・川崎のデル法人営業部に営業担当者が常駐させ、共同で営業活動を行うほか、デル・プロフェッショナル・サービス事業部(DPS)のシステム構築や設計を支援する。営業協業体制を再編することで、市場規模の大きいUNIX環境にもDell|EMCを積極提案する予定だ。

 同日、デルではUNIXから標準システムへ移行を考える顧客向けのオンライン窓口も開設する。

 米EMCから発表会に参加したジョエル・シュワルツ上級副社長は、EMCとしても目標とする対前年比25%の売上アップのためにアジアが重要とした。AX 100については、「2年前にEMCがこれを販売していたら、この3倍の価格になっただろう」と、これまでにない価格のEMCストレージであることを強調した。

[堀 哲也,ITmedia]

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