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いわゆるIT不況の中でも、独歩とも言える成長曲線を描いてきたデル。2003年のビジネスも堅調、2004年もデルモデルをベースに成功を積み上げていく。2003年はパソコンだけでなく、IAサーバ市場でもトップ3に入り、年ごとにエンタープライズ市場での存在感を高めているデル。社名をデルコンピュータからデルに改め、「コンピュータ」という言葉の制約を取り払った。日本法人の浜田宏社長は、「デルモデルだけが差別化戦略」とシンプルに言い切る。ストレージのEMCだけでなく、データベースの新製品「Oracle 10g」をリリースした日本オラクルや、マイクロソフト、SAPジャパンなど、企業向けアプリケーションの中心的プレーヤーともパートナーシップを強化した。同社にとっての2003年はどのような年であったのか、そして、2004年はどのような展開をしていくのか。浜田氏に話を聞いた。 ITmedia 2003年はどんな年でしたか? 浜田 2003年はPCとIAサーバともに日本でトップ3に入りました。これは予想よりも早いものです。我々はこれまでも、コツコツと階段を上るようにビジネスを行ってきた。そして、ようやく頂上が見え始めたのです。サーバ、ストレージ、サービスともに市場の伸びよりも早い成長を実現しており、さらに、コンサルティングも加えて、今後も顧客満足を極めていきたいと考えています。 ITmedia さまざまなベンダーとの協業も発表されました。 浜田 特に、Oracleとの関係を強化することができました。また、マイクロソフトとも順調にビジネスパートナーシップを展開しています。 ITmedia 「Oracle 10g」は、サーバやストレージのリソースを仮想化し、これまで人が行っていたロードバランシングなどの作業をソフトウェアが自動化するため、個々のサーバマシンなどハードウェアに必ずしも性能の高さを求めなくても済むようになるとも言えます。その意味で、コストパフォーマンスの高い標準ベースの製品を提供するデルとは相性がいいと思えます。 浜田 その通りです。Oracle社内のシステムにもデルのブレードサーバが利用されていると聞いています。メインフレームのような巨大なシステムよりも、小さなマシンをたくさんつなげて大きなシステムを構築できるという時代の流れは、とにかく標準ベースの製品を提供することにこだわるデルの戦略とマッチしています。ただし、我々の信条は、顧客が注力したいものに注力することです。個別のベンダーと必要以上に密接な関係を持つことは考えていません。顧客の要望がある限り、OSで言うならLinuxもWindowsもサポートしていきます。それによって、包括的なエンタープライズソリューションを提供していく考えです。 ITmedia 社名をデルコンピュータからデルへと変更しましたが、どのような意図があったでしょうか? 浜田 現在のデルのビジネスは、サービスや周辺機器など、サーバやパソコン以外の売り上げも大きくなっています。そのため、社名変更は、コンピュータという言葉の持つ制約を取り払うという意思を表現したものと思っていただきたい。有線、無線に限らず、顧客が求めるデジタル機器を提供していきます。ただし、デルが自動車や電子レンジを売ることは今後もありません。 ITmedia 顧客やユーザーについてどのように感じていますか? 浜田 2003年は、コンシューマー、法人ともに満遍なく伸びたのですが、特徴を探すとすれば、数年前のデルではなかったような大型案件が多かったことが挙げられます。デル、EMC、日本ユニシスなどと共同でコンソーシアムを組み、メインフレームやUnixサーバをベースとする顧客企業のシステムを、デルの「Standard Based Technology」をベースにリプレースしていく取り組みも行いました。また、三共、出光、新生銀行といった日本を代表するような企業ユーザーともビジネスを展開することができました。 ITmedia 2004年についてはどのように考えていくでしょうか? 浜田 2004年はデスクトップ、ノートPCを法人に対して積極的に売っていきます。サーバなどのメンテナンス関係のサービスにも力を入れます。また、先日はテレビ市場への参入を発表しましたが、今後はプロジェクターなども提供する予定です。デジタル機器の分野では日本は先進国ですので、米国で売れたものをすべて持ち込むことはありません。日本において競争力がある製品を提供していくのです。いずれにしても、いいものを安定した価格で安定供給するというデルモデルの基本的な考え方は何も変わりません。独自技術に走るようなことは全くありません。
顧客には、デルを利用することで無駄な投資を少しでも減らしてもらいたい。例えば、大きなUnixサーバを購入して、CPUを増やしていくというアプローチでは、初期投資に多額の資金が必要になる。デルならば、スケールアウトのアプローチにより、小さく投資して少しずつ規模を拡大していくことができます。それはユーザー企業とってもいいことになります。 ITmedia 2003年は、パソコンやサーバ製品において、デルとライバルベンダーの「新聞広告合戦」が激しかったという声を聞きます。 浜田 我々は決して広告合戦とは認識していません。デルはコールセンターで10年、オンラインでも6年間、今のビジネスをずっと行ってきました。デルと同じことをやろうとする企業が出てきているとしても、我々にとっては日常生活が続いているだけです。他社の動きの一つひとつには反応しません。あくまでも、客にとって何がメリットかを考えるスタンスは揺るぎません。 ITmedia 企業向けデスクトップパソコンに限定した場合、2004年に最も使われるディスプレイはどの型になると考えますか? 浜田 ディスプレイは主に15、17、19インチとありますが、どれが売れるかはユーザーのニーズによります。ワークステーションとしては17インチでも小さいくらいですし、CRTモニターもいまだに売れています。今後は、テレビチューナー付きを購入する企業も増えてくるかもしれません。 ITmedia IT業界全般を見渡したとき、2003年は米国系企業の日本法人の社長が、日本人から外国人にスイッチする動きが目立ちました。日本法人を率いる上で、どのような姿勢が必要でしょうか? 浜田 グローバル化が進展する中で、日本という市場の「営業所長」では務まりません。知識、経験、視野、そして語学力を併せ持ったビジネスパーソンでなくてはいけないと考えています。足りなければトレーニングしていくべきです。これは、逆に言えば、日本企業の米国法人社長にも、英国企業の中国法人社長に当てはまる普遍的なことと言えます。
2004年に求められる人材像とは? 関連記事 [聞き手:怒賀新也,ITmedia] アクセストップ10Special
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