安全なビジネスモビリティの姿を体現するノキア

昨年のN+Iで「Best of Show Award」の一般投票部門でグランプリを獲得したパナソニック。ネットワークが実現する次の世界を体感させてくれたのが来場者に評価された。今年は「VOD-3Dハイビジョン伝送」「RFID情報収集ソリューション」で楽しませてくれそうだ。現在、イベントを体験するための事前登録を行っている。

 「NetWorld+Interop」(N+I)といえば、かつては通信とコンピュータネットワークのプロが集う、プロフェッショナルのためのプロフェッショナルによる展示会だった。

 現在のN+Iにも、もちろんそうした要素が残ってはいるが、ブロードバンドが家庭へと普及し始め、通信と放送が融合される昨今は、技術者だけでなく一般的なビジネスマンも“未来社会”の一端を体験できるソリューションの総合展示会へと発展している。

 N+Iへの出展は今年で4回目というパナソニックも、かつてのN+Iからは遠い存在の企業に思えるかもしれない。しかし家庭内のさまざまな機器を提供し、放送機器で確固たる地位を確立しているパナソニックは、新しいN+Iの顔ともいえる出展社だ。

 昨年は携帯電話に配信した二次元コードを用いた電子スタンプラリーや、東京有明のパナソニックセンターから配信されたハイビジョン映像によるビデオオンデマンド(VOD)伝送セミナーを実施。手軽なモバイルソリューション体験と、ハイビジョンによる圧倒的なリアリティを持つ、VODハイビジョン伝送セミナーに使われていたHD映像配信システムが来場者からの支持を最も集め、「Best of Show Award」の一般投票部門でグランプリを獲得した。


パナソニックは昨年、最も来場者から支持を集めた証として「Best of Show Award」の一般投票部門でグランプリに輝いた

 そして今年のパナソニックは、昨年のコンセプトを引き継ぎながらも、全く新しい体験をN+Iのパナソニックブースに仕掛けようとしている。

 今年は、「セキュリティ」「コンテンツ」「コミュニケーション」がパナソニックブースの三大テーマ。ブースに行くだけで、すべてのテーマに対するパナソニックからの解答を体験できる仕組みだ。中でも注目したいのはICタグ、いわゆるRFIDを用いたソリューション体験。この体感イベントに参加するには、携帯電話やPCが参加証として必要になるため、こちらから事前登録をしておきたい。

 また昨年のVODハイビジョン伝送を超える、VOD-3Dハイビジョン伝送を体験できるシアターも必見である。

“より自然な体験”で訴えかける3Dプレゼンテーション

 昨年はデジタルハイビジョン映像を有明パナソニックセンターから、幕張のN+I会場へと配信したパナソニック。今年はそれをさらに発展させ、パナソニックの“デジタルAV&ネットワーク技術”をハイビジョン画質の3D映像で来場者に体験してもらう「VOD-3Dハイビジョン伝送ステージ」を設置する。

 3D映像が用いられるのは約15分のセミナー冒頭の数分間。右目用と左目用の二つのハイビジョン映像(毎秒30コマ)をひとつのストリームデータにまとめ、専用の回線を通じて幕張メッセに送信する。映像ストリームの帯域は合計60Mbpsに達するという。会場では受信したストリームを2本のハイビジョンストリームに分離し、それぞれデコーダを通してから3D映像として同社のDLPを使ってスクリーンに投射する。


VOD-3Dハイビジョン伝送の拠点として活躍する東京・有明のパナソニックセンター(左下)。この4階にあるコンテンツ配信センターからVOD-3Dハイビジョン映像を送り出す

 3D映像というと、テーマパークなどに設置されている、迫力はあるが少し不自然な立体感を想像するかもしれない。しかし、パナソニックのコンセプトは違う。人とのコミュニケーションをより自然に行うことをテーマとした新感覚の3D映像になる予定だ。

 「現実世界がスクリーンの奥に広がっているような、自然な臨場感をネットワークで伝送できることを体験してください。何かがスクリーンから飛び出てくるような刺激の強い映像ではなく、普段から人間が目で見ている自然な奥行き感を出します。昨年、実験的に野球放送を同じ技術で撮影しましたが、実際に野球場で観戦しているような気分を味わっていただけました」と担当者は話す。

 ハイビジョンの高精細映像と自然な3D映像技術が織りなす、現実と映像が錯倒するかのような空間。パナソニックの「VOD-3Dハイビジョン伝送ステージ」は、このN+Iでの人気イベントのひとつになるに違いない。

RFIDを用いた個人認証・情報収集ソリューションも体験

パナソニックブースでは、このRFID PASSひとつで展示物の情報を集められることになる

 パナソニックブースもうひとつの注目は「RFID情報収集ソリューション体験」だ。これはPCや携帯電話を通じて事前登録した方に、電子メールで二次元コードによる「RFID PASS引換証」を発行。同時に、Webブラウザからアクセス可能な「MY PAGE」が作成される。プリントアウト、もしくは携帯電話の画面に表示された二次元コードをパナソニックブース受付へ持っていくと、RFIDにデータが関連付けされ、その場で「RFID PASS」が発行される。

 パナソニックブースに展示されているすべてのシステムや機器の横に、RFIDリーダが配置されており、興味のある展示があれば、自分のRFID PASSをかざしておくだけでMY PAGEに展示物の資料、カタログ、納入事例、提案書、連絡先、アンケートなどが発行される仕組みだ。アンケートに答えると抽選でDVDレコーダー「DIGA」などの賞品が当たるといった仕掛けも用意される。

■体験の流れ
1) 事前登録
PCや携帯電話から事前登録サイトにアクセス。登録すると電子メールで送られてきた二次元コードのRFID PASS引換証が発行され、専用の「MY PAGE」が用意される
2) 当日受付
N+IのパナソニックブースへRFID PASS引換証をプリントアウトや携帯電話画面メモとして持っていくと、認証後RFID PASS(参加証)が発行される
3) 情報収集
興味のある展示があれば、展示コーナーごとに設置されたリーダにRFID PASSをかざす
4) MY PAGE閲覧
RFID PASSでチェックした展示内容の情報は「MY PAGE」に蓄積される。帰宅後、展示物の資料などをゆっくり閲覧できる
携帯電話での事前登録は http://ni.ebbm.jp/ にアクセス

 このシステムはパナソニック システムソリューションズ社が提供しているebbm(e-business platform for broadband and mobile services)をプラットフォームに開発される。ebbmは、ICカードやRFIDなどの個人認証技術、携帯電話、ブロードバンドを基礎にしたさまざまなミドルウェア、ソリューションを提供するサービスで、携帯電話に証明書を発行しそれをバスのチケットとして利用できるシステムや、館内の入出管理を行うシステムなど、顧客に合わせたサービスが提供されるのが特徴だ。

 「たくさんの資料を抱えて回らなくとも、手ぶらでゆっくり話を聞きながら、詳しい資料をあとからゆっくり見ることができます。今回はRFIDを用いましたが、もちろん別の個人認証技術でも構いません。技術的には個人認証技術を用い、より個人のニーズに合った情報を提供するソリューションを体験してもらうことが今回のテーマです」(担当者)。

 まずは事前登録から。N+Iに足を運ぶなら、携帯電話とRFID個人認証技術を応用した新しいサービスの形を会場で確かめてほしい。