NEC、SaaS型電子カルテシステムを開発――小規模病院向けに7月から販売
NECは、患者の診療データを民間データセンターに保管することが厚労省により認められたことを受け、SaaS型の電子カルテシステムを提供する。
NECは5月10日、小規模の医療機関(100床以下)向け電子カルテシステム「MegaOakSR for SaaS」の開発を表明した。販売活動は2010年7月からとなり、同12月のサービス開始を目指す。
MegaOakSR for SaaSはその名のとおり、ネットワーク経由のアプリケーションとして提供される。これは2010年の2月1日、厚生労働省が発した『「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について』(医政発0201第2号/保発0201第1号)により、医療機関が患者の診療データを民間のデータセンターに保管することが認められたことによるもの。NECによるとMegaOakSR for SaaSは、「厚生労働省標準規格」で定められた診療データの標準化に対応する、国内初のSaaS型電子カルテシステムだという。また複数の医療機関が診療情報を共有して連携を強化する地域医療連携ネットワーク「ID-Link」に、簡単に接続できるとしている。
従来から電子カルテシステムに対する医療機関の注目は高かったものの、システム構築に際してのコストや負荷、また専任の運用要員を配置できないという問題や、法令改訂への対応コストが掛かるといった導入障壁があった。特にこれらは、小規模の医療機関にとって大きな課題であったが、MegaOakSR for SaaSは必要なシステム機能をSaaS提供することで、オンプレミス型の電子カルテシステムに比べ、TCOを5年間で最大30%低減できると、NECは試算している。
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