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企業が経験したソーシャルメディアのトラブル
シマンテックの調査から、企業でのソーシャルメディア利用が増え、機密情報の漏えいやそれに起因した訴訟問題など悪影響が生じている実態が明らかになった。
シマンテックは8月2日、企業のソーシャルメディア利用と情報保護に関する調査報告書を発表した。標準的な企業では、従業員が機密情報を公表するといった事件が1年に9件発生し、94%の企業が信用の失墜や収益低下といった悪影響に苦しんでいる実態が分かった。
それによると、企業が経験したソーシャルメディア関連の主な事件は、「従業員がパブリックフォーラムで大量の情報を共有している」(46%)、「機密情報の漏えい、または公開」(41%)、「訴訟の増加」(37%)だった。金銭的な平均の被害規模は、「株価の低下」が103万8401ドル、「訴訟費用」が65万361ドル、「直接的な財務費用」が64万1993ドル、「ブランドイメージの悪化/顧客企業の信頼喪失」が63万8496ドル、「収益低下」が61万9360ドルだった。
82%の企業は、ソーシャルメディアで発信される企業の機密情報の収集、保管、検索のための仕組みの導入、ソーシャルメディアの使用ポリシーと従業員のトレーニングプログラムの確立といった、さまざまな方策を検討していた。しかし、実際に導入しているのは25%未満だった。
こうした実態を受けてシマンテックは、次の推奨策を紹介している。
- 全てのコーポレートコミュニケーションと同様に、適切なコンテンツの投稿に関してソーシャルメディアの使い方を定義し、従業員をトレーニングする
- 自社の業界に固有の法的、または規制上の要件を確認・理解し、ソーシャルメディアコンテンツの保存を求める規制に対処するためのポリシーを策定する
- 業界の規制が厳しい場合は、特にソーシャルメディアコンテンツの自動取得と保存を可能にするアーカイブソリューションの導入を検討する
- 情報漏えい防止ソリューションを実装して、機密情報が企業からソーシャルネットワーク上に流出しないようにする別の予防策も用意する
調査はApplied Researchが4月に実施したもので、世界33カ国の企業の経営陣やIT担当者1225人から回答を得た。
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