米Ciscoは7月30日、ルータ製品「ASR 1000 Series Aggregation Services Router」に関する脆弱性情報を公開し、同ルータに搭載されているIOS XE Softwareの更新版をリリースしてこの問題に対処したことを明らかにした。
Ciscoのセキュリティ情報によると、脆弱性は断片化したIPv4およびIPv6パケットを再構築する際の不適切な処理に起因する。悪用された場合、リモートの認証を受けない攻撃者が細工を施したパケットを送り付け、パケット処理プロセスをクラッシュさせてサービス妨害(DoS)状態に陥れることが可能とされる。
危険度は、共通脆弱性評価システム(CVSS)のベーススコアで7.8(最大値は10.0)と評価している。
Ciscoによると、この脆弱性の悪用を試みる事例は確認されていないものの、一部顧客でこの問題に起因する障害が発生。問題のトラフィックは特定のIPv4アドレスから送信されていたことが分かり、Ciscoが確認した結果、悪意はなかったことが判明したとしている。同社は顧客に対し、IOS XE Softwareを更新してこの問題を修正するよう強く勧告している。
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