第7回 オブジェクトストレージを解読する “無限”にためる使い方:クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方(1/3 ページ)
前回はオブジェクトストレージの特徴を解説しましたが、今回はそのような特徴からどのような使い方ができるのかをひも解いてみます。
オブジェクトストレージが“生きる”適合分野
前回解説しましたように、オブジェクトストレージはデータを入れる無限のバケツのようなものです。その中に入れたデータを頻繁に更新するというよりは、入れるだけ入れておいて、必要な時に探し出して活用するといった使い方に適しています。
それでは今後、いったいどれくらいのデータが更新されることなく保存されるのでしょうか。IoT、タブレット、スマートフォンの拡大に伴い、2017年には全データの79%が非構造化データに、そして75%のデータがオブジェクトストレージに保存されると予測されています。オブジェクトストレージは具体的にどのような分野、使い道に適しているのでしょうか。
まず、以下に代表的なオブジェクトストレージの利用分野をまとめてみました。ここでは大きく分けて、サービスプロバーダー系と従来の一般企業、公共分野からどのように使われているのかをみていきます。
サービスプロバイダーでの使い方
- IaaS環境
- SaaS環境
- 一般向けオンラインサービス(例:ファイルシェア、バックアップ・アーカイブ)
一般的にこの分野ではパブリッククラウドサービスに使われることが多いため、基本的にはIaaS(Infrastructure as a Service)や、SaaS(Software as a Service)の一要素として使われることが多いといえます。あくまでも純粋な基本サービスのみですが、これらの上に、よりユーザーインタフェースを良くして、さらにユーザーがほしいサービスを提供するいろいろなサービスが出てきています。よくある写真や画像を保存するサービスや、オンラインバックアップなどは、ほとんどが大手パブリッククラウドのインフラを利用しているケースが多いです。例えばドロップボックスなどはAmazon Web ServicesのS3を利用したストレージサービスです。
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