顧客から突然の仕様変更が――あなたならどうする?:プロマネ1年生の教科書(2/3 ページ)
ビジネスの場では、顧客からの“無茶振り”もよくある話。顧客から「仕様を変更してほしい」と言われたら、あなたはどう動きますか? 「相手との関係を傷つけたくない」「交渉が面倒」と要求を無条件で飲むのは、最もやってはいけないことだったりします。
コンフリクトに対する“4つの対処法”
人や物事で相いれない状態や衝突が起きていることを「コンフリクト」と言います。コンフリクトが起きたときの対処を整理すると、大きく4つのスタイルに分けられます。
- Win-Lose:自分だけが勝つ
- Lose-Win:自分が負ける
- Lose-Lose:両方とも何も得られない
- Win-Win:両方の納得が得られる
1の「Win-Lose」は、自分が勝ち相手が負けるスタイルです。先ほどの選択肢だとAが該当します。相手の都合や背景を無視して“NO”を貫きます。「無理です」「ダメです」「できません」「仕様です」などの言葉が多く出やすいでしょう。
Aになりやすいのは、実はプロマネではなくメンバー側。例えば、顧客との打ち合わせで「前回は問題ないとおっしゃっていた箇所じゃないですか」と反応したことはありませんか? 感情的な反応は、相手の感情を高ぶらせます。「機能追加くらい簡単だろう」「そんな簡単なものじゃないんです」と押し問答になり、無駄なコンフリクトを生み出します。顧客の前でなくても、プロマネとメンバー間でも出やすい形式です。
2の「Lose-Win」は、自分が負けてその場を何とか治めるスタイルです。先ほどの選択肢ではBが該当します。
「今回ははじめての取引だから言い値にします。次の取引ではコンペで当社を選んでください」などと“今回はメンバーに泣いてもらうという意思と説得する覚悟”をもって判断するのは、戦略的な負けということで悪くない選択なのですが、顧客との面倒な交渉や調整を避けるための“やります”はLoseといえます。
3の「Lose-Lose」は一言で言うと“見て見ぬふり”。コンフリクトを「なかったもの」と見なします。着手しないので一見何も変化がないように見えますが、手遅れになると後々大きなコンフリクトに発展するケースも多いです。エンドユーザーからクレームが寄せられ、緊急タスクが追加されて帰れなくなった……そんな経験はありませんか?
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