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コレ1枚で分かる「人工知能との付き合い方」即席!3分で分かるITトレンド(1/2 ページ)

人工知能が著しい変化を遂げる中、私たち人間は人工知能とどうつきあっていけばいいのでしょうか。

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この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


 私たちは、人工知能とどう付き合えばいいのでしょうか。

人間と機械との「自然な関係」を築く

 Amazonが「Echo」というネット接続機能付きスピーカー端末を米国で発売しています。このEchoには、「Alexa」という人工知能が搭載され、話しかけると音声を認識し、指示された通りに処理してくれます。

 例えば、Amazonのショッピングサイトとつなぎ、「この商品をお気に入りに追加して」「(商品名)を注文して」「(作家名)の最新作をKindleに入れておいて」と言えば、全てやってくれます。また、AlexaはAmazonの「Fire TV」にも組み込まれ、「スターウォーズの最新作を見せて」と指示することもできるようになるそうです。さらに照明や空調の制御まできるようになっています。

 外部サービスとの連携も期待されており、配車サービス「Uber」とつながれば、「車をよこしてくれ」というだけで自動車の手配をしてくれるようになるでしょう。また音楽配信サービス「Spotify」とつながれば、「(アーティスト名)の音楽を流して」などと指示すればその音楽を探して流してくれます。

 さらに「キット、ガレージから出ておいで」とEchoに話しかけると、ガレージの扉が開いて電気自動車の「TESLA」が出てくるシーンもビデオで紹介されています。ちなみに「キット」とは1980年代に米国でTV放映されたドラマ「ナイトライダー」に登場する人工知能(?)搭載の自動車の名前です。

 このような自然な対話で指示ができるようになれば、難しい操作や面倒なキーボード入力は不要になり、IT利用の裾野は大きく広がるでしょう。「そんな楽に使えるならそのサービスを使おう」「その製品を買おう」ということにもなるでしょう。

 このような人間と機械との「自然な関係」を築こうというのが、人工知能の役割の1つです。

膨大なデータから「仮説」を見つけ出す

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 ソーシャルメディアやIoTによって集められた膨大なデータから価値ある情報や洞察を見つけようというのも、人工知能の役割です。

 精緻で網羅的に現実を写し取ろうとすると、データは膨大になっていきます。しかしそれは同時に、それを解釈し、整理することを難しくします。この矛盾を解決し、膨大なデータに潜む規則性や構造を見つけ出してくれるのが人工知能です。

 かつてコンピュータは、人間が立てた仮説に基づき処理フローを描き、それに従ってプログラムを作っていました。例えば「こういう手順で仕事を進めれば、仕事の効率は良くなるはず」と経験者の知見や体験を踏まえて仮説を立てて、それを前提にプログラムを書き、処理させることで効率を上げてきたのです。しかし、そのやり方が最適なのかどうかは、分かりません。

 一方、人工知能は、その仮説を膨大なデータから見つけ出してくれます。これまでのやり方とは正反対のアプローチです。データに裏付けられた仮説は、時として人間の経験や勘と一致しないこともあります。しかし、「人工知能が膨大なデータを解析して導いた最適解」を実際に試してみたら、「人間の経験や勘から導いた最適解」よりも優れていたという事例も数多く報告されています。

 AlphaGoの場合も同様で、人間の最高の英知を打ち負かしたとすれば、それは紛れもなく「最適解」だったのです。しかし、人間の経験や勘がうまく説明できないように、人工知能もなぜそのようになったかを教えてはくれません。

 そこで、プロ棋士たちは、AlphaGoがなぜそんな手を打ったのかを考え、これまでの常識を見直そうとしているそうです。見方を変えれば、人工知能の進化が人間の進化を促しているともいえるでしょう。人工知能にはそんな役割もありそうです。

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