コレ1枚で分かる「クラウドの定義」:即席!3分で分かるITトレンド(2/3 ページ)
クラウドコンピューティングは、NIST(アメリカ国立標準技術研究所)の定義を基に、サービスモデルの違い、またはシステムの配置モデルの違いによって整理することができます。
サービスモデル
クラウドをサービスとして提供するシステム資源の違いによって分類する考え方が「サービスモデル(Service Model)」です。
SaaS(Software as a Service)は、電子メールやスケジュール管理、文書作成や表計算、財務会計や販売管理などのアプリケーションをネット越しに提供するサービスです。ユーザーはアプリケーションを動かすためのハードウェアやOS、ミドルウェアの知識がなくても、アプリケーションについての設定や機能を理解していれば使うことができます。例えば、Salesforce.com、Google Apps、Microsoft Office 365などがあります。
PaaS(Platform as a Service)は、アプリケーションを開発や実行するためのシステム機能をサービスとして提供します。データベース、開発フレームワーク、実行時に必要なライブリーやモジュールを提供します。ユーザーは、インフラ構築や設定に煩わされることなく、アプリケーションを開発し、実行することができます。例えば、Microsoft Azure Platform、Force.com、Google App Engineなどが挙げられます。
IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバ、ストレージなどのシステム資源を提供するサービスです。ユーザーは、自分でOSやミドルウェアを導入し、設定を行わなくてはなりません。その上で動かすアプリケーションも自分で用意します。
「所有」するシステムであれば、その都度、ベンダーと交渉し、手続きや据え付け導入作業をしなければなりません。しかしIaaSを使うと、メニュー画面であるセルフサービスポータルから、設定するだけで使うことができます。また、ストレージ容量やサーバ数は、必要に応じて、簡単に増減できます。そのスピードと変更に対する柔軟性は比べものになりません。例えば、Amazon EC2、IIJ GIOクラウド、Google Compute Engineなどが挙げられます。
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