2017年、多くの企業は「システム内製化」に舵を切る?:オープンソースビジネス勉強会(1/2 ページ)
今後のIT業界に大きな影響を与える3つのキーワードから、2017年にどのような変化が起こるかを予測します。
この記事は寺田雄一氏のブログ「オープンソースビジネス勉強会」より転載、編集しています。
大きな変化が起こり始めているIT業界(主にエンタープライズ領域)。2017年の動きを、「IT業界を変えるキーワード」から予想します。
2017年、IT業界を変える3つのキーワード
第3位「人工知能」
「人工知能が普及すると、失業者が増える」といわれています。その是非はともかく、これは経営者から見ると、「人件費が削減できる」ことを意味します。
この点で人工知能は(例えばIoTなどに比べて)導入効果が分かりやすいため、急速に普及していくでしょう。IT企業は顧客への提案の中で、何かしら人工知能を活用した提案を求められるようになるはずです。
なお、当社ではこの1月に、人工知能のセミナーを開催しました。定員60人のところ、100人以上の申し込みがあるなど、注目度の高さを実感しました。
第2位「クラウド」
2017年に注目したいのは「Salesforce」や「kintone」などのPaaSです。
当社とおつきあいがある大手ユーザー企業でも、積極的にSalesforceを活用しているところが多いですし、中堅中小SIer(システムインテグレーター)の中でも新規ビジネスとしてSalesforceに取り組むところも増えています。また、Salesforceパートナー企業は、どの企業も事業が好調のようです。
スクラッチ開発よりも圧倒的に生産性が向上しますので、この流れは今後、加速するでしょう。
第1位「内製化」
2016年12月13日に、当社主催でユーザー企業のみでの情報交換会「マジセミ ユーザー企業会議」を開催しました。テーマは「内製化」です。
テーマが「内製化」だったので当然といえば当然なのですが、それでも日本を代表する大企業(それも歴史がある企業も含めて)が、そろって「当社は100%内製化を目指す」と話していたことには衝撃を受けました。
好むと好まざるとに関わらず、この流れは確実に来ます。この流れの中でわれわれはどうするべきか、真剣に考えなければなりません。
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