シリコンバレー見聞録 家庭用IoT製品の体験型ショールーム「Target Open House」:柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」(1/2 ページ)
IT起業の聖地といわれるシリコンバレーで見聞きした刺激的で興味深い体験から、注目のポイントを紹介する本連載。第10回は、家電好き・テック好きにうれしい家庭用IoT製品を試せる「Target Open House」です。
この記事は柴崎辰彦氏のブログ「柴崎辰彦の「モノづくりコトづくりを考える」」より転載、編集しています。
ビッグデータとIoTが間違いなくビジネスと社会に革命を起こすといわれている今、われわれKNOWLEDGE INTEGRATERは、この新しいビジネスチャンスにデジタルビジネスをどう乗りこなすべきなのか?
前回紹介した「b8ta(ベータ)」が“青山のブティック”だとすると、今回紹介する「Target Open House」は、より身近な“イオンやヤマダ電機”といったところか。さまざまな家庭用IoT製品が集まるショールームなのだ。
運営するTargetは、全米5位の小売業で一般市民になじみのディスカウントストアらしく、店舗数は1500店舗近くに登る。そのような小売店がなぜIoTなのか? 謎は、深まるばかり……答えは時間が教えてくれるのかもしれない。
家庭の中でのIoTを実感できるショールーム
この店舗のユニークなところは、さまざまな生活シーンをクリスタルなアクリル版で仕切られた部屋でデモ展示していることにある。いずれの製品も、どのように動くのかをイメージできるようにデモ形式で紹介されている。Sonosのワイヤレスオーディオシステムは、ユーザーインタフェースをクラウド上に置いているため、ユーザーはスマートフォンだけで操作できる。Mimoのベビーモニターは、赤ちゃんの睡眠を監視できるらしい。
外出時に家でお留守番をしているペットは、飼い主からすると気になる存在だろう。ペット用のカメラや、スマホ経由で餌を与えられる商品も紹介されていた。
Googleに32億ドルで買収されたNestは、デジタルサーモスタットと火災報知機を製造するベンチャー。Nestのサーモスタットは、住宅内の温度管理プロセス全般(燃料の購入から室温設定、暖房器具、換気扇、空調システムへの電力供給まで)をデジタル化し、同社が提供するクラウドデータサービスと連携することでさまざまな価値を提供する。例えば、電力会社に消費電力のデータを提供することで、電力会社はエネルギー消費量の予測精度が改善できるという。Nestは、単にサーモスタット業界にとどまらず、エネルギー業界にも影響を及ぼす。
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