IBM、業界特化型Watsonのラインアップを拡充 導入期間の短縮化狙う
日本IBMは、幅広い業種の企業と協業することで、業界特化型の学習済みWatsonのラインアップを拡充する。Watsonの導入にかかる時間が大幅に少なくなるという。
日本IBMは4月27日、Watsonを活用して意思決定や問題解決を支援するコグニティブシステムをより短期間で構築できるよう、業界に特化したデータを学習済みのWatsonのラインアップを拡充していくと発表した。
現状、Watsonを活用するには、用途別に効果的な情報をシステムに学習させる必要がある。例えば、照会応答業務の支援サービスでは、既存の問い合わせ記録やコールログ、応答時に照会される基本情報などをシステムに学習させ、正しい回答を導くための膨大な知識のデータベースである「知識ベース」を構築する。
IBMは、Watsonを活用した実績がある企業や専門性の高いデータを大量に保持する企業と協業し、幅広い業種に向けた知識ベースの構築を推進するという。協業によって、Watsonを活用したコグニティブシステムを短期間で導入できるようになるとしている。
例えば、三井住友銀行では、企業の信用力変化を示す英文ニュース記事を自動で検索し、閲覧者からの評価を踏まえて精度を改善しながら、記事収集の業務効率化と高度化を支援する知識ベースの構築に取り組み、検証を行ったという。
また三菱自動車工業は、不具合の兆候把握につながる情報や、コールセンターに連絡があった顧客の声情報といった非構造化データを可視化する知識ベースを構築。トランスコスモスは、長年のコールセンター運営の知見を生かし、損保業界向けから、汎用的なQ&Aシナリオ、Windows PCの基本操作情報をQ&Aの形でまとめたものまで、複数の知識ベースを構築したという。
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