レビュー
2006年06月12日 15時00分 更新

「LoveFOOTBALL 青き戦士たちの軌跡」レビュー:

目指したのは本物のサッカー――選手視点だとサッカーゲームはここまで変わる (1/3)

日本トップクラスのDF宮本恒靖選手がイメージキャラクターを務めていることでも話題を呼んだ、バンダイナムコゲームス発のサッカーゲーム「LoveFOOTBALL 青き戦士たちの軌跡」。新たな試みを各所に盛りこんだ意欲作のプレイ感たるや、さて、いかに。

偉大なチャレンジ

 やりたくてもできないこと、というのがある。例えるなら、女性客ひしめくケーキバイキングに男1人で参加すること。もうひとつ例えるなら、笑顔のカワイイ店員さんを思い切ってデートに誘うこと。そこには、よっぽどの覚悟と、あふれるほどの自信がなければ、打ち破ることのできない見えない壁が存在する。また、失敗しても笑われても、“いいんだ、やってみたかったんだから”と、良い意味で開き直れる度胸を必要とする。

 “ひとりの選手のみを動かす+サッカーゲーム”。この組み合わせは、かなりの冒険だ。誰もがやってみたくて、しかしできなかった大きな壁である。なぜなら、少なくとも以下の3つの壁が立ちはだかるから。

・自分以外の選手の動きが稚拙になればなるほど、ゲームとして成立しなくなる。
・自分に一度もボールが回ってこず、かやの外になる可能性がある。
・自分のポジションがどこであろうとゴールを決めなければ結果に結びつかないゲームになる可能性がある。

 これら難易度の高い壁に、真っ向から挑戦状をたたき付けたのが、本作「LoveFOOTBALL 青き戦士たちの軌跡」(以下、LoveFOOTBALL)なのだ。チャレンジした、というその1点だけでも、まずは評価されるべきだろう。

photophoto サッカーゲームとしてのチャレンジ、バムコバンダイゲームスとしてのチャレンジがギッシリ詰まった、複数の意味で熱いゲーム

LoveFOOTBALLを支える屋台骨は「フッキン」

 サッカーゲームを追い続けているファンであれば、2004年に発売されたナムコの「フットボールキングダム ―トライアルエディション―」、通称「フッキン」の存在に着目していることだろう。“フリーパス”、“フリーラン”という新機軸を生み出し、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていない選手の動き)を操るAIは特許まで取得している。

 フリーパスとは、読んで字のごとし。方向、強さ、高さ、カーブのかけ具合を、自由に決定できる操作のこと。選手の前にターゲットスコープのような白い円が表示されており、これを動かした方向に、思い描いたとおりのパスを出すことができるのだ。実は、このフリーパスというシステム、パスの受け手が出し手の意図をくまなければ、ただ単に“自由にパスを出せるだけのもの”になってしまう。そこで、フリーランが機能してくるのだ。

 ピッチに立つ選手は、常にスペースを探して走りこんだり、スペースを作るための囮としての動きをすることでチャンスを作っている。その動きを再現しているのがオフ・ザ・ボールAIだ。プレイの一手先、二手先を読んだ動きをすることで、気持ち良いくらいパスがつながり、ビューティフルな攻撃を演出することができる。脳に思い描いた動きを、しっかりと再現してくれるのだ。

 “出し手”と“受け手”のふたつに特化して開発したフッキン、その技術がLoveFOOTBALLで生きている。過去に積み上げた技術の結晶を、このような選手視点のサッカーゲームという形で昇華するというのは、簡単なようでとても難しいことだ。コンピュータが操る選手たちの動きに血が通っていなければ、安心してパスを待つことはできないし、次の動きを予測してパスを出すこともできない。そういう意味で、LoveFOOTBALLはフッキンに支えられているタイトルとも言えるのである。

photophoto ボールをキープしている時は、パスを出す先を常に見定めながら、オフ・ザ・ボールの時は、パスを受ける場所を探しながらプレイする。この面白さはLoveFOOTBALLならではだ

できれば視点は「選手固定」で楽しんでもらいたい

 マッチモードである程度ゲームの操作に慣れたら、本作のメインモードともいえる日本代表ストーリーを楽しんでもらいたい。もし操作方法がつかめなかったならば、トレーニングモードのトレーラーデモをじっくり見よう。フェイントやパスの出し方といった1人の操作を習得したい場合はフリートレーニングを、試合感や自らの動きを練習したいのであればマッチモードをプレイすることをオススメする。もっと具体的な動きを知りたいのであれば、公式サイトの攻略情報にあるムービーを見ると、よりイメージをつかみやすいだろう。

 本作では、自分が選んだ主人公以外の選手を操作することができる。ただし、それは本作の本当の楽しみ方ではない、ということだけは分かってほしい。当然、パスを出して、パスの受け手に切り替え、その選手でシュート、といった離れ業も不可能ではないが、やはり1人の選手を最後まで責任持って操作するのが面白いのだ。

(C)2006 NBGI
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(C)1996 JFA
(C)2002 JFA.MAX
※これらの日本代表選手の画像はゲーム内CGによるものです。
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