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●ucdavisサブツリー

 以上で説明してきたmib-2サブツリーは,ネットワーク機器の汎用的な情報を保持する管理情報領域だ。mib-2サブツリーの配下にあるオブジェクトを参照すれば,ネットワークの回線断やトラフィック情報を得ることができるが,snmpdでは,さらに独自の管理情報領域をもっている。それがこれから説明するucdavisサブツリー(1.3.6.1.4.1.2021)だ。ucdavisサブツリーの配下には,Table 9に示すサブツリーが格納されている。

Table 9 ucdavisサブツリー(1.3.6.1.4.1.2021
OID 1.3.6.1.4.1.2021.2
サブツリー名 prTable
用途 プロセスの状態が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.4
サブツリー名 memory
用途 メモリの状態が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.8
サブツリー名 extTable
用途 システム上であらかじめ指定しておいたコマンドを実行し,その結果が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.9
サブツリー名 dskTable
用途 ディスクの状態が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.10
サブツリー名 laTable
用途 システムのロードアベレージ情報が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.11
サブツリー名 systemStats
用途 システムの状態が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.14
サブツリー名 ucdDemoMIB
用途 ucd-snmpのサンプル
OID 1.3.6.1.4.1.2021.15
サブツリー名 fileTable
用途 あらかじめ指定しておいたファイルのファイルサイズなどが格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.100
サブツリー名 version
用途 snmpdのバージョン情報が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.101
サブツリー名 snmperrs
用途 エラーが発生したときの情報が格納される
OID 1.3.6.1.4.1.2021.102
サブツリー名 mrTable
用途 snmpdにモジュールを組み込んで機能を追加したとき,そのモジュールに関する情報が格納される

 Table 9に示した各サブツリーには,Linux上で動作しているプロセスの情報やメモリ,ディスクの状態,そして特定のコマンドを実行したときの結果を格納することができる。

 どのような情報が取得できるのかは,snmpd.confファイルの設定にも依存する。デフォルトの(EXAMPLE.confファイルをコピーして編集した)snmpd.confファイルの設定は,次のようになっている(一部のコメントなどは省き,必要箇所のみ抜粋した)。

procmountd
procntalkd 4
procsendmail 10 1
execechotest /bin/echo hello world
disk/ 10000
load12 14 14

 以下,snmpd.confファイルの設定方法と,ucdavisサブツリーで得られる情報との関係を説明する。


ucdavisサブツリーの配下には,かなり多数の情報があるため,すべての内容を本稿で説明しきることはできない。より詳細を知りたいのであれば,/usr/local/share/snmp/mibsディレクトリにインストールされるUCD-SNMP-MIB.txtファイルを参照してほしい。

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