■いちばん近道なLinuxマスター術
Red Hat Linuxを始めとした近年のLinuxディストリビューションでは,X Window上利用できるGUIツールが充実している。従来からのエディタを使ったテキストファイル編集による設定はあるものの,現在はGUIで行えるという選択肢が1つの方法として認知されつつある。
しかし,従来からの設定方法とGUI設定ツールによる方法を混在し始めると,GUIツールの場合見えない裏側で書き換えられる可能性が高い。このため,例えば手作業で書き換えた内容を思いもかけずGUIツールが上書きしてしまうなどの弊害が生じてしまう。
いくら手間軽減のためにGUIツールを使い始めても,このような状況を理解していなければ問題を回避できなくなってしまう。
前編では,主にシステムに関するツールを紹介していく |
|
ここでは,取り上げるディストリビューションとしてRed Hat Linux 7.2を想定している。Red Hat Linux 7.2では,X Windowから[プログラム]の[システム]内に,Linux上のシステム設定をするためのさまざまなプログラムアイコンがあらかじめ登録されている。これらのツールを使うと,各種GUI設定ツールでLinuxのシステム設定ができるのだ(Fig.1)。
これらのツールに対し,ktermなどのコンソール上で動作する環境設定ツール「Text Mode Setup Utility」も用意されている。Text Mode Setup Utilityは,コマンドプロンプトから,/usr/sbin/setupと指定してプログラム実行が可能だ(Fig.2)。
Linuxにおける設定ファイルは,多くの場合/etc/ディレクトリに配置される各テキストファイルであり,これらのGUI設定ツールは設定ファイルを書き換えるツールにすぎない。
そのため,手作業で/etc/ディレクトリに配置される設定ファイルを編集したのちにGUI設定ツールを使おうとすると,GUI設定ツールで読み込めない場合がある。また,冒頭リードで述べたようにGUI設定ツールで設定を行うと,せっかく手作業でカスタマイズを行った設定ファイルが上書きされてしまう可能性がある。
そこで以下,GUI設定ツールではどのような設定ができ,どのような設定ファイルを書き換えているのを見ていくことにしよう。
[プログラム]―[システム]内には,GNOMEの設定やX
Windowに関する管理ツールなどが含まれている。また,RPMパッケージをインストールするためのツール「GnoRPM」も存在する(詳細は,「GNOME上でRPMを扱いたい」Tipsを参照。 |
|