インストール先ディレクトリレイアウト --- configure.layout --- |
1. configureスクリプトのオプションでインストール先を変更できる
Apacheの関連ファイルは、標準ですべて/usr/local/apacheディレクトリ下にインストールされる。このインストール先ディレクトリを変更したい場合には、--prefixオプションで変更ができる。例えば、/usr/local/myapacheというディレクトリにインストールしたいのであれば、次のようにconfigureスクリプトを実行すればよい。
$ ./configure --prefix=/usr/local/myapache |
--prefixオプションは、Apacheのインストール先を一括して設定するためのオプションである。しかし、Apacheに含まれるファイルを、カテゴリ別のディレクトリにインストールするように設定することも可能だ(RPMパッケージでは分けられている)。
たとえば、HTMLのドキュメントルートを格納するディレクトリは--htdocsdirオプション、CGIプログラムを格納するディレクトリは--cgidirオプションでそれぞれ変更ができる。
しかし、これらのディレクトリ1つ1つを指定するのは大変だ。そこでApacheには、代表的なOSに合ったインストール先を定義するconfigure.layoutファイルが用意されている。
configure.layoutファイルには、Table5に示すレイアウトが用意されており、「--with-layout=レイアウト名」を指定することで、レイアウトに則ったインストール先を一括設定できる。
Table5■configure.layoutファイルに記載されているレイアウト情報
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Table5に見られるように、標準レイアウトは「Apache」だ。このレイアウトでは、Fig.3に示す場所にファイルをインストールする。Fig.3を見ると分かるように、Apacheレイアウトでは/usr/local/apacheディレクトリ下にすべてのファイルがインストールされる。
多くの場合には、標準的なインストール先であるApacheレイアウトが使われるだろう。Linux環境では、RedHatレイアウトやoptレイアウトが使われることもある。
RedHatレイアウトは、Red Hat Linux 7.1のRPMでインストールされるディレクトリ構造である。7.2以降では若干の変更があったが、まだ反映されていない。
$ ./configure --with-layout=RedHat |
RedHatレイアウトでは、Fig.4に示す場所にインストールされる。Fig.4を見るとわかるように、RedHatレイアウトでは、複数のディレクトリに分けられてインストールされる。
たとえばバイナリファイルは、/usr/binディレクトリや/usr/sbinディレクトリにインストールされ、設定ファイルは、/etc/httpd/confディレクトリにインストールされる。そしてドキュメントルート(公開するHTMLファイルの保存先)は/var/wwwディレクトリとなり、ログの保存先は、/var/log/httpdディレクトリとなる。
このようにRedHatレイアウトでは、いちどインストールしてしまうと、他のアプリケーションやOSに付属するバイナリファイルと一緒の場所に保存されるため、アンインストール作業は面倒となる。しかし、バイナリ、設定、HTMLドキュメント、ログなど、それぞれ別のディレクトリが設定されるために、管理面ではメリットのあるレイアウトだろう。
Fig.4■RedHatレイアウトの場合のインストール先
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optレイアウトは、FHSで提唱されている、「標準的ではないアプリケーションは、/optディレクトリ以下にインストールする」に則った方法でインストールするものだ。
$ ./configure --with-layout=opt |
optレイアウトでは、Fig.5に示す場所にインストールされる。optレイアウトでは、ファイルのほとんどが/opt/apacheディレクトリ下に、設定ファイルが/etc/opt/apacheディレクトリ下、ログファイルが/var/opt/apacheディレクトリ下という構成になる。このレイアウト構成は、Red Hat LinuxなどFHSに準拠しているディレクトリ構成を採用しているOSであれば、既存の環境を壊さないというメリットがある。
Fig.5 optレイアウトの場合のインストール先
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どの場所にApacheをインストールしても動作は変わらないが、デフォルトで用意されるApacheの設定ファイルであるhttpd.confファイルの内容が、インストール先によって適時書き換えられる。
本稿では、デフォルトのApacheレイアウトでインストールした場合ということで話を進めていくので、他の場所にApacheをインストールした場合には、適時httpd.confファイルの解説を読み替えて欲しい。
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