リアルタイムでユーザーのパソコンを監視するソフトウェア

 最後にネットワークを経由して現在そのユーザーがなにを操作し,どういったキーを入力しているのかリアルタイムで監視できるソフトウェアを紹介しよう。これを利用すれば,外出先からもパソコンを監視することが可能になり,パソコンを操作しているユーザーの情報が筒抜けになる。

○SpyAnyware
 「SpyAnyware」はブラウザを利用し,ネットワーク越しにパソコンを監視するシェアウェアだ(1ユーザーライセンス39.95ドル)。これを利用すれば,ターゲットとなるパソコンで行われているさまざまな操作を,リアルタイムで閲覧することができる。リアルタイムでのキー入力や現在のデスクトップ画面,キャッシュされているパスワードなどの閲覧だけでなく,マシンを再起動するなど,ターゲットのパソコンを操作することもできる。もちろん,ターゲットマシンでの存在が分からないように,不可視に設定可能だ。

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写真12■インストールされたマシンのIPアドレスをブラウザに入力し,接続を行う。写真ではMacintoshからWindowsマシンへアクセスしている

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写真13■監視しているパソコンの,デスクトップ画面の表示がリアルタイムで可能だ

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写真14■現在のプロセスを表示しているところ

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写真15■netstatコマンドにより,接続されているポートの詳細を表示

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写真16■システム情報の参照も可能だ

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写真17■メインの設定画面

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写真18■設定画面からは,監視しているパソコンが現在利用しているIPアドレスを送信させることもできる

 これらは機能の一部だが,リモート操作ツールと同様の操作が可能であることが分かる。これは以前解説した「Sub7」などの,トロイの木馬にも通じる部分があるのはお分かり頂けるだろう。

 ただ,今回紹介したソフトウェアは,トロイの木馬のようにアンチウイルスソフトなどで検出されることはないし,またいくつかのソフトウェアは自身を不可視にする機能を備えている。つまり利用しているユーザーが気が付かない限り,監視され続けてしまうことになる。

 ネットワークを利用したものであれば,ソフトウェアファイアウォールなどでポートをブロックするなどの対策が考えられるが,ローカルな環境であれば,他人にパソコンを利用される隙を与えないこと(パスワードロックなど)や,自らが監視ソフトをインストールしておくなどの防御を行っておくとよいだろう。また社内であれば,通信経路での盗聴も加味しプライバシーにかかわるような情報は流さないようにする必要もある。

 企業での機密情報漏洩は深刻な問題だとは思うが,やりすぎれば社員のプライバシー侵害ということにもなる。また,身近な同僚や知人が,おもしろ半分にこういった類のソフトウェアをインストールすることもあるだろう。他人と共有するスペースでパソコンを利用するのであれば,自身のプライバシーが侵害されていないか,常に確認しておく必要があるだろう。

[TTS,ITmedia]

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