乾電池を捨てた“ポメラ”が代わりに獲得したもの――新モデル「DM200」を見てきた(2/3 ページ)
キングジムは10月4日、テキスト入力に特化した携帯ツール「ポメラ」の新製品として「DM200」を発表した。「テキスト入力のしやすさを徹底的に追求したモデル」(同社)だ。
リチウムイオンバッテリーを採用した理由
DM200の新機能の1つに、ポメラシリーズとして初めてリチウムイオンバッテリーを搭載したことが挙げられる。連続駆動時間は最長約18時間となり、本体側面のmicroUSBポートにモバイルバッテリーを接続すれば外出先でも充電が行える(5V、1.2A以上の出力が必要)。
ポメラの特徴でもあった乾電池駆動をやめた理由についてキングジム商品開発部の東山慎司氏は、「乾電池はどこでも手に入るメリットはあるが、ランニングコストがかかる。最近はスマートフォンの普及でモバイルバッテリーを持ち歩く人も増えており、充電機能の利便性は高い。駆動時間に対する安心を確保しつつ、ランニングコストを抑えられる」と説明する。
また同時に、処理能力とのバランスをとることも目的の1つだったようだ。「今回は、『ATOKを強化したい』という思いが強かった。乾電池駆動では満足のいく駆動時間にはならない」。テキスト入力に特化したポメラは、テキスト入力をより快適にするためにバッテリーの採用に踏み切った。
その日本語入力システム「ATOK for pomera [Professional]」は、語彙数が従来の約3倍に増えたほか、入力支援機能も拡充。例えば同音異義語が多い言葉も文脈から正しく選択したり、繰り返してしまいがちな打鍵ミスでも一度修正すると次回からは正しく変換するなど賢くなっている。PC版との主な違いは、推測変換や校正支援といった機能を持っていないこと。PC/Mac版のATOKで登録した単語をポメラにインポートすることは可能で、自動学習した単語を含めて約2万語を追加できる。
このほか文書作成機能では、10階層のツリー構造に対応したアウトライン機能も新搭載。長文作成に便利だという。なお、文書ファイル1つあたりの文字数は最大5万字で、本体メモリやSDカードにフォルダを作成して保存することができる。本体メモリの容量は128MBだが、SDカードスロットは最大32GBのSDHCまで対応した。
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