特捜J-SH51（1）：ムービー写メールを試す（2/2）
| 【国内記事】 | 2002年3月4日更新 |
PCでムービー写メールを見よう
J-SH51で撮影したムービーは，PCで見ることも可能だ。ムービーの動画コーデックの開発元，オフィス・ノアのホームページから，Windows用のプレーヤー「Nancy Player 1.2β」をダウンロードできる。
Nancy Playerは，ムービー写メールで使われているNancyファイル専用の動画プレーヤーで，ムービー写メールやザウルスのビデオメールを再生できる。インストール時に関連づけを行えば，受け取ったムービーファイルをダブルクリックするだけで再生が始まる。機能はシンプルで，再生，一時停止，停止のほか，拡大再生とループ再生に対応している。残念なのはPCでは音声が再生されないことだ。
現在のところ，Nancyファイルの読み込みに対応した動画再生ソフトや動画編集ソフトはなく，凝った操作や編集は難しい。
なお，WebページにNancyファイルを置いてJ-SH51からアクセスしてみたところ，ファイルサイズが12Kバイト以下であっても，テキストファイルとして解釈されてしまい，ムービーを見ることもダウンロードすることもできなかった。PCのブラウザではNancy Playerがインストールされていれば，動画が再生できた。
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ムービー写メールの仕様をチェックする
さて，ここから少々難しい話。ムービー写メールで扱う動画の仕様を説明していこう。
解像度は80×60ピクセル。J-SH51の画面サイズがだいたい120×160ピクセルだから，約4分の1の大きさだ。FOMAの動画配信サービスiモーションやKDDIのezmovie（2001年11月の記事参照）と解像度やファイルサイズを比べると以下のようになる。
値はすべて最大 一般に，動画のクオリティはビットレートに大きく影響される。コーデックと解像度が同じならば，ビットレートが高いほど高画質だ。たとえば，DVDビデオはだいたい5〜6Mbps（最大9.6Mbps），インターネット上でストリーミング提供されている動画は64Kbps〜500Kbps程度。 J-フォンのムービーのビットレートを計算してみると，約24Kbps。では，同程度のファイルサイズ，解像度，フレームレートでほかのコーデックで動画を作成してみるとどうなるだろうか。
ムービー写メールが善戦しているのが分かる。この画質の決め手はコーデックだ。もちろんNancy以外のコーデックは，ここまで低ビットレートに向いたものではない。この画質チェックはビットレートと動画のクオリティの関係を見るためのもので，コーデック自体の評価ではないため，参考として見てほしい。 動画に使われているNancyコーデックは，オフィス・ノアが開発したもので，シャープのザウルスにも利用されているのは有名（用語）。 音声コーデックであるAMRは，第3世代携帯電話のW-CDMA方式で採用されたもの。FOMAでは，iモーションのほか，通話に利用されている。ただしAMRはPC向けとしてメジャーなコーデックではなく，ほとんど出回っていない。それがPCでムービーを再生した場合，音声を再生しない理由だと推定される。 なお，現在ezmovieやiモーションはダウンロードして楽しむコンテンツ，ムービー写メールはメールでやりとりして楽しむコンテンツと位置づけが異なっている（ezmovieはPCで作成してメール添付することも可能）。ただし，WebページでもNancyファイルを使えたら楽しそうだ。
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[斎藤健二，ITmedia]
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