ドコモが第4世代移動通信システム装置を試作 下り100Mbps以上

第4世代移動体通信のスケジュールが見えてきた。通信方式には「VSF-OFCDM」を利用。現在仕様検討・試作を行っており,夏頃には接続試験・実験を開始する。試作機の開発にはNECが当たる。

【国内記事】 2002年3月18日更新

 NTTドコモは3月18日,第4世代移動通信システムに利用する無線アクセス実験装置の試作を開始したと発表した。下り100Mbpsの高速パケット通信を実現するもので,今夏以降に装置を使った接続試験を開始する計画だ。  第4世代移動通信サービスは2010年をめどに実用化を計画。下り100Mbps以上/上り20Mbps以上の高速パケット通信が特徴。

 実験装置は基地局と,端末に当たる移動局で構成される。試作機の開発にはNECが当たる。

 下り100Mbpsに必要な周波数帯域は100MHz。第3世代携帯電話であるFOMAが5MHz幅を使うのに対して,相当広い帯域幅となる。利用する周波数帯は総務省の審議待ちだが,情報通信審議会の答申では「第4世代携帯電話に適した周波数帯は,5G〜6GHz以下の周波数」とされている。

 広帯域化によるマルチパス発生で相互干渉が増えるのを防ぐため,「VSF-OFCDM」(可変拡散率直交周波数・符号分割多重)方式を採用,実験で通信品質などを確かめる。


ドコモ資料より。OFCDM方式

 今回の実験では,100MHz帯域の信号を768キャリアに分割して並列送信する。データを各通信者固有に割り当てられた拡散符号を用いて複数のキャリアにわたり拡散することで,高速化を図れるとしている。

 VSF(可変拡散率)は「ドコモオリジナルの技術」(ドコモ)。「屋内など閉じられた環境で拡散率を1にした場合はOFDMに近いが,複数のセルが並ぶような環境では拡散率を上げることでセル間の干渉を減らすことができる」(ドコモ)

 OFDM(Orthogonal Frequency Dicision Multiplexing)は,直交周波数分割多重とも呼ばれるデジタル変調方式の1つ。高い伝送容量を持ち,マルチパスにも強い。地上波デジタル放送や5GHz帯の無線LANにも利用されている。

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[斎藤健二,ITmedia]

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