Mobile:NEWS 2002年5月16日 03:47 PM 更新

ソニーエリクソンに聞く、着せかえGPSケータイ「A3014S」(2/2)(2/2)


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POBoxもさらに改良。目覚まし機能も進化

 A3014Sでは、GPS機能の搭載やデザインだけではなく、細かなソフトウェアの改善も行われている。ソニーエリクソン製端末の魅力の1つであるPOBoxの強化もその1つ。「例えば、EZweb中にPOBoxが使えないという指摘を受けていたが、今回は対応している」(同社コミュニケーション・ソフトウェア技術部門ソフトウェア設計部3課の斉藤寛係長)。さらに動作速度を上げただけでなく「フレーズ間のつながり学習の容量などを増やした」(斉藤氏)。

 辞書のチューニングも進めた。スターバックスやタリーズなどのコーヒーショップや三越前など、待ち合わせ場所を中心に追加したほか、「絵文字などは例えば“ハート”と入れると、絵文字が表示される。数字も、半角全角両方の候補が出る。英字も、“エー”とか“ビー”と入れると候補が出る。文字モードの変更を補う形になっている」(斉藤氏)と、これまでの不満点を解消する形で調整されている。

 細かなところでは、目覚まし機能も格段に向上した。「音量は独立して調整できないものの、アラームが、今回5つ設定できるようになった。名前も変更してどういうアラームなのか分かる。さらにスヌーズにも対応した」(同社コミュニケーション・ソフトウェア技術部門ソフトウェア設計部3課の平澤律世係長)。5つの設定は、曜日設定にも対応。目覚まし機能は、携帯がPIM化していく中でも最も身近な部分だ(1月22日の記事参照)。こうした細かな改良を喜ぶユーザーは多いのではないだろうか。

 au向け新端末シリーズの常として、メールのフォルダ分けも可能になった。「メールのフォルダ分けを9つまで。振り分はメールアドレスの一部であったりドメインで設定できる」(平澤氏)。また画像が添付されたメールの場合、メール本文末に画像が直接表示される「メールビューワ」機能も搭載している。

カメラこそないがフルスペック

 A3014Sにはカメラこそ付いていないものの、gpsOne、ezplus、WAP2.0ブラウザといったau3000番台のフルスペックが盛り込まれている。また、着信メロディもヤマハの「MA-3」を使った40和音に対応した。「スピーカーの口径は変えずに音源をアップした。特に40和音で、カラオケやアニメも楽しめるのは、たぶんau向けでは初めて」(松浦氏)

プリセット着信メロディ
スターウォーズ
セプテンバー
イパネマの娘
セサミストリート
運命
サンタルチア
CosmicRing

 厳密に比較したわけではないが、A3014Sのスピーカーの音質はau向け端末の中でもピカイチ。プリセット曲の1つ「スターウォーズ」を聴いたが、豊富に和音を使ったメロディに加え、ADPCMを使った効果音が随所に散りばめられており、サントラを聴いているかのよう。背面に設置された口径18ミリのスピーカーが、低音から高音まで美しくそれを奏でる。

 「最新のJ-POPなどはいくらでもダウンロードできるので、敢えてプリセットからは除いている。ちょっと嗜好を変えて、映画の曲や前に流行った曲で懐かしいなと思ってもらえる曲。カフェブームというのもあるので、ボサノバ風の曲も入れた」(松浦氏)

 カフェのイメージ……に合わせて、マリィ・カイユ(Marie Caillou)によるヨーロッパテイストのキャラクター「リリ、ショコ、ココ」も待ち受け壁紙、着信アニメなどに採用している。「ソニープラザと一緒にやっているキャラクターを入れて、画像もカフェというイメージで作成した」(松浦氏)

 さて、今やau端末の標準機能ともいえる、GPS、Java機能はどのような出来なのだろうか。「Javaは、Qualcommのチップセット上で動かすため、どうしても制約はある。その中でどうチューニングしていくか。少なくとも、au向けの端末の中ではほかに遜色ないものに仕上がったと思っている」(斉藤氏)

 独自部品やソフトウェアが利用できるNTTドコモ向け端末とは異なり、ある程度使えるパーツが制限されるのは、au向け端末では仕方がない。QualcommのCDMAベースバンドチップ上でJavaを動作させ、JavaVMもアプリックス製……というのは各社ほぼ同じ。逆に、ドコモ向け端末のようにパフォーマンスに大きな差が付かないという利点もある。従来はQualcomm製以外のチップを使うメーカーもあったが、CDMA2000 1xやgpsOne機能を盛り込むに当たって、Qualcommチップを使うのが事実上必須に近くなってしまった。Javaのパフォーマンス面での差別化は、アプリケーションプロセッサなどの搭載が進まない限り難しい点なのだろう。

機種データフォルダ本体重量
A1011ST800Kバイト99グラム
A1012K800Kバイト93グラム
A3011SA1.5Mバイト97グラム
A3012CA12.8Mバイト106グラム
A3014S2Mバイト110グラム

 ただし、A3014Sはデータフォルダに2Mバイトを確保した。「Javaや画像、40和音の音などかなりの数をダウンロードしてもらえる」と斉藤氏が言う通り、他機種に比べて大容量だ。

 A3014Sではカメラの搭載など、大きな差別化となる機能の搭載は見送られた。しかし、gpsOneやezplus(Java)、WAP2.0ブラウザの搭載などau端末ならではの機能をしっかりと搭載。その上で、強化されたPOBoxや自動フォルダ分け可能なメールなど使い勝手が向上している。着信メロディも40和音で、豪華な音源を生かすスピーカーを搭載するなど、“カメラが必要なければイチオシ”と思わせる端末に仕上がっている。

 また何より、従来機と互換性のある着せかえパネルと、鮮やかなブルーのボディカラーは魅力的ではないだろうか。

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[斎藤健二, ITmedia]

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