Mobile:NEWS 2002年6月28日 03:00 PM 更新

徹底比較
携帯電話のカメラはどこまで“使える”か(2/3)


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屋内での画質チェック

 続いて白熱灯の赤っぽい照明を持つやや暗めの店の中で撮影してみた。こちらもよくあるシチュエーションだ。暗くてもきれいに写るか、ホワイトバランスが合うのかの2点がチェックポイントだ。


SH251iで撮影。左はピクチャーライト不使用。右は使用(画面をクリックすると原寸のCIF画像へ)。驚くべきことに、白熱灯に近い赤っぽい照明下でもホワイトバランスを合わせようとしている。完璧ではないが、かなりがんばっている。ピクチャーライトをつけるとかえってピクチャーライトの色と背景の色がずれるため、肌の色が不自然になってしまった。このくらいならピクチャーライトなしでもいけるということだ


A3012CAで撮影。左は120×160ピクセル、右は480×640のVGA撮影を縮小した画像(クリックでVGAの原寸画像へ)見て分かる通り、真っ赤になってしまった。撮影時の色温度が低すぎたため、特定チャンネルが破綻して色を作れなくなったのだと思う。その上、増感に伴うノイズも多い。非常に残念な出来だ


J-N05で撮影。左はスタンダードモード。右は室内モード。スタンダードモードだとまるで蛍光灯下のような緑かぶりを起こしているが、なぜそうなるのかはよく分からない。室内モードはわざと照明の赤みを残すようなセッティングになっているようだ


J-SH51で撮影。右は120×160ピクセル、左は480×640ピクセルのVGA(クリックで原寸のVGA画像へ)。下端が紫がかっているのが気になるが、色のバランスはまあまあ。これだけ赤みが強い照明下だと、このくらいでも許容範囲といっていい


J-T51で撮影。左はフラッシュを焚いたもの(144×176ピクセルで撮影。クリックで288×352ピクセルのCIF撮影画像へ)。右は焚いてないもの。フラッシュを焚くと、やや黄色が強いがちゃんと肌色が出ている。ケータイデジカメのように性能が低いカメラこそフラッシュのような補助光が必要なのだろう。フラッシュを焚かないときは照明の影響で思いっきり黄色くなってしまった。顔のグラデーションも不自然で残念


左はJ-T51のモバイルフラッシュ、左はSH251iのピクチャーライト

 屋内でも自動的に色が補正されて比較的自然な色になったのがSH251i。赤っぽくならずにほどよく補正されている。SH251iは暗所でフラッシュ代わりに使えるピクチャーライトを内蔵している。一般のカメラ用フラッシュに比べるとその光量は弱いが、室内のような暗い場所ではとても有効だ。

 もっとも室内の赤い光に対してピクチャーライトは青白い光なので、今回のシチュエーションでは肌がやや青くなってしまった。細かいことだが、通常の室内ではピクチャーライトなしでも十分撮影できる。もっと暗い、夜の屋外のような場所で有効に使えそうだ。

 J-N05は「撮影環境」という、ほかの端末にはない機能を持っている(5月29日の記事参照)。スタンダードのほかに、色を強めに出す「印象」、ポートレート用の「人物」、室内撮影用の「室内」、夜用の「ナイト」と、撮影環境によって設定を変えられるのだ。これによってまったく違った結果となった。赤っぽい白熱灯系の下ではスタンダードモードでは緑が強くかぶり、室内モードでは照明の赤い色が強く出過ぎてかなりオレンジっぽい絵になってしまっている。前者は蛍光灯かぶりに似た現象であり、後者は白熱灯の下で太陽光設定で撮ったときの色に似ている。いずれも期待した色とはいい難い。

 J-T51も白熱灯の下ではオレンジ色が強いホワイトバランスがほとんど補正されてない発色になった。また顔の光が当たっている部分から影へのグラデーションも不自然。しかし、J-T51には外付けの「モバイルフラッシュ」という小技が用意されている。これを使うとフラッシュの光で一部にテカリが出るものの、かなりいい感じだ。

 ただフラッシュがレンズの位置より下に来るため、やや不自然な光の当たり方になる。これは今の構造では仕方がないところだろう。本当はレンズの上にフラッシュ専用の端子を1つ設けてそこに装着できればいいのだが。

 A3012CAはかなり期待はずれの結果となった。増感したためにノイズが増し、赤色が不自然なほど強く乗っている。

 J-SH51はレンズの中央部と端で色がずれてしまっているが、オレンジ色が強い以外の破綻はあまりない。

 結局のところ、白熱灯系の室内撮影で合格点を上げられるのはSH251iだけのようだ。

ろうそくの光で撮れるか?

 一部の機種が暗いところでも撮れることをウリにしているので、真っ暗な部屋でろうそくを持って撮影できるかを試してみた。


SH251iで撮影。左はピクチャーライトなし。右はあり。ライトなしでもがんばって増感して真っ暗な中でも絵を作っている。ピクチャーライトはこのようなシチュエーションで力を発揮する。ただ、フラッシュと違って光量が弱いため、どうしても元光源とのミックス光になり、色のバランスが難しくなる。そのために色は不自然になってしまったが、きちんと写るべきものは写っている


A3021CAで撮影。かろうじて光が当たっているところだけ映像になっている。カメラも無理に撮ろうとじたばたしてないのでこういう絵になる


J-N05で撮影。左がスタンダードモード。右はナイトモードだが、ナイトモードで撮影したものはファイルサイズの関係でメール送信できなかったのでトリミングしてある。スタンダードモードではノイズは浮いているものの、がんばってホワイトバランスを合わせて絵を作ろうという意図が見える。ナイトモードのほうが黒が締まっているものの、あまり効果的ではなかった


J-SH51で撮影。これもあまりに暗すぎてカメラがお手上げ状態。かろうじてろうそくの光が当たるところだけ写っている


J-T51で撮影。左はそのまま、右はフラッシュを使った。フラッシュなしだと無理に絵を作ろうとはしないので周りは真っ暗のままだが、色はけっこうリアルに出ている。なかなかえらい。フラッシュを使うと、発光部が下にあるため不自然な位置に影が出てしまうが、写り具合は完璧。さすがだ

 SH251iはピクチャーライトなしの場合、増感によるノイズは強く浮くもののかろうじて光が当たっている部分は写っている。その上ホワイトバランスもある程度補正されているのはさすがだ。ピクチャーライトを使えば、ややマゼンダが強い色になりノイズも浮くものの、それなりに写る。真っ暗でも近距離なら使えることが証明されたといっていい。

 モバイルフラッシュが使えるJ-T51も、フラッシュを焚けば、影が不自然な方向に出るのを除いて完璧なでき。いずれ、フラッシュ内蔵のケータイも登場するのではないかと思わせる。フラッシュなしではかろうじて光の回りだけが写るという感じだ。

 ナイトモードを持つJ-N05はナイトモードにしても大きな差は出ず、あまりに暗いところではかろうじて写るだけという結果となった。

 C3012CAも同様に暗すぎるとかろうじて写るというレベル。

 ここまで暗いシチュエーションで撮ることはまずないと思われるので、この結果はあまり重要ではないが、ピクチャーライトやモバイルフラッシュが有効である証明にはなるだろう。

[荻窪圭, ITmedia]

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